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平成30年度 公害防止管理者 騒音・振動特論 問3を解説|行路差ゼロの一点だけが5 dB

平成30年度 騒音・振動特論 問3は、地面に立つ長い塀をはさんで音源と受音点が並ぶ図から、塀があることで音がどれだけ下がるかを読み取る問題です。示された条件に当てはまる受音点を、ア~オの5つから選びます。

この問題のポイント

塀の効き目は、音が上端を回り込むときにどれだけ遠回りするかで決まります。遠回りが長いほどよく効き、同じ遠回りでも高い音ほど効きます。裏を返すと、周波数が変わっても値が動かない場所は、遠回りがまったく生じない位置しかありません。分かれ目は、その位置が図のどこかを見抜くことで、数値を計算する必要はありません。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(2)

各選択肢の正誤

選択肢正誤理由
(1)×(誤り)見通し線をはさんでウ~オとは反対側に位置します。わずかでも線から外れれば遠回りが生じ、値は5 dBから離れます。
(2)○(正しい)音源と塀の上端を結んだ直線の延長上にあり、遠回りがゼロになります。波長が効かなくなるため、どの周波数でも同じ値です。
(3)×(誤り)見通し線から外れた側に並ぶ3点のうち、線に最も近い点です。近くても遠回りはゼロではなく、周波数ごとに値が変わります。
(4)×(誤り)同じ側でウよりも線から離れており、遠回りの差はさらに大きくなります。
(5)×(誤り)見通し線から最も遠く、条件から最も外れます。

ここが分かれ目

音源と塀の上端を結んだ直線を、そのまま受音側へ延ばした線を考えます。この線の上では、塀の頂点を経由する経路と直線の経路がぴったり重なり、行路差がゼロになります。行路差δと波長λからつくるフレネル数はN=2δ/λですから、δがゼロならNもゼロです。このとき式から波長が消える、つまり周波数を変えても減音量が動かない、という特別な状態になります。設問が5 dBという一つの値を全周波数に対して置いているのは、この状態を指しているからです。

線から外れると事情が変わります。塀の陰の側へ入るほど遠回りは伸びてNが大きくなり、減音量は5 dBより大きくなります。しかもこのとき、高い音ほど大きく減り、低い音は回り込んで効きが薄いため、周波数ごとに値がばらつきます。逆に塀越しに音源が見える側へ出れば、直接音がそのまま届くので塀はほとんど働きません。どちらへずれても、全周波数で同じ値という条件は満たされません。

したがってこの問題は、5 dBという数値を暗記しているかどうかではなく、周波数によらないという言い回しが行路差ゼロを指すと読み替えられるかを試しています。図の上で見通し線を引き、その線が通る点を探せば答えは決まります。

覚え方

  • 周波数によらず同じ減音量=行路差ゼロの見通し線上。その値が5 dB。
  • 行路差δ=(塀の頂点を通る経路の長さ)−(音源から受音点までの直線距離)。
  • フレネル数N=2δ/λ。Nが大きいほど減音量が大きい。
  • 陰に深く入るほど、また高い音ほどよく効く。低い音は回り込んで効きにくい。
  • 見通し線より外に出れば直接音が届き、塀はほとんど働かない。

理解度チェック

Q.

塀による減音量が周波数によって変わらなくなるのは、どんな位置ですか。

音源と塀の上端を結ぶ直線の延長上、つまり行路差がゼロになる位置です。フレネル数N=2δ/λがゼロになり、波長が結果に影響しなくなります。

Q.

同じ受音点でも、低い音のほうが塀の効きが悪いのはなぜですか。

波長が長いぶんフレネル数が小さくなるからです。波長に対して遠回りが短いほど回り込みやすく、減音量は小さくなります。

この問題に関連する用語解説

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成30年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動特論 問題・正解」(公式PDF