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平成30年度 公害防止管理者 騒音・振動概論 問21を解説|8 Hzより上は速度だけで決まる

平成30年度 騒音・振動概論 問21は、上下に揺れる正弦波の大きさが、人が揺れに気づき始める下限を上回るかどうかを判定する計算問題です。振動数と大きさの組合せ5つから1つを選びます。

この問題のポイント

与えられている値は、加速度で示された肢と速度で示された肢が混ざっています。そのままでは比べられないので、いったん加速度にそろえてから振動レベルに直すという手順を踏みます。分かれ目は速度から加速度への換算を飛ばさないことで、この一手を省くと大小関係が逆さまに見えます。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(3)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
(1)×(誤り)5 Hzで加速度10-3 m/s2。人が最も感じやすい帯域なので補正は差し引かれませんが、振動レベルは約40 dBにとどまり、下限に届きません。
(2)×(誤り)50 Hzで加速度10-2 m/s2。加速度レベルは約60 dBありますが、高い振動数ほど感覚補正が大きく引かれ、振動レベルは40 dB台前半です。
(3)○(正しい)16 Hzで速度10-3 m/s。加速度に直すと約0.1 m/s2と大きく、補正を引いても振動レベルは約74 dB。下限をはっきり上回ります。これが正解です。
(4)×(誤り)32 Hzで速度10-5 m/s。加速度に直しても10-3 m/s2台にしかならず、補正も引かれて振動レベルは30 dB台です。
(5)×(誤り)80 Hzで加速度10-2 m/s2。加速度レベルは(2)と同じですが、さらに高い振動数のぶん補正が深く、振動レベルは約40 dBです。

計算の手順と分かれ目

手順内容
1速度で示された肢を加速度にそろえる。正弦振動では 加速度=2πf×速度。(3):2π×16×10-3≒0.10 m/s2
(4):2π×32×10-5≒2.0×10-3 m/s2
2基準の加速度10-5 m/s2で割り、20 log をとって振動加速度レベルにする。(1)40 dB/(2)60 dB/(3)約80 dB/(4)約46 dB/(5)60 dB
3鉛直方向の感覚補正を足す。4〜8 Hzが0 dBで、そこから1オクターブ上がるごとに約6 dB引かれる。5 Hz:0/16 Hz:約−6/32 Hz:約−12/50 Hz:約−16/80 Hz:約−20(dB)
4得られた振動レベルを、人が揺れに気づき始める目安と比べる。(1)40/(2)約44/(3)約74/(4)約34/(5)40(dB)

人が全身に受ける揺れに気づき始める目安は、振動レベルでおよそ55 dBとされます。上の値を並べると、55 dBを上回るのは(3)だけで、しかも20 dB近い開きがあります。他の4つは40 dB前後に固まっており、迷う余地はほとんどありません。

この問題がいやらしいのは、速度が小さい数字に見えるため、換算前の見た目で切り捨ててしまうところです。(3)の速度10-3 m/s は、16 Hzという速い揺れと掛け合わさることで加速度0.1 m/s2という大きな値に化けます。逆に(2)や(5)は加速度そのものは大きめでも、振動数が高すぎて人はほとんど感じ取れません。

もう一つ、8 Hzより高い鉛直振動には便利な性質があります。速度が同じなら加速度は振動数に比例して1オクターブごとに約6 dB増え、感覚補正はちょうど同じ幅だけ引かれます。打ち消し合うので、8 Hzより上では振動レベルが速度だけで決まるのです。実際、(3)と(4)は速度が100倍違い、振動レベルの差もちょうど40 dBになっています。

覚え方

  • 速度で与えられたら加速度=2πf×速度で必ず換算してから比べる。
  • 振動加速度レベルの基準加速度は10-5 m/s2。20 log で dB にする。
  • 鉛直の感覚補正は4〜8 Hzが0 dB。そこから上は1オクターブごとに約6 dB引く。
  • 8 Hzより上は加速度の増加と補正の減少が相殺。振動レベルは速度だけで決まる。
  • 人が気づき始める目安は振動レベルで約55 dB。40 dB台なら感じ取れない側。

理解度チェック

Q.

速度の実効値で与えられた正弦振動を、加速度に直すにはどうしますか。

加速度=2πf×速度で換算します。振動数を掛けるので、速度が同じでも振動数が高いほど加速度は大きくなります。

Q.

加速度が同じでも、鉛直振動では振動数が高いほど振動レベルが小さくなるのはなぜですか。

人が最も感じやすい4〜8 Hzを外れると感じにくくなるためです。この感じ方の違いを補正として差し引くので、高い振動数ほど振動レベルは小さく出ます。

この問題に関連する用語解説

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成30年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動概論 問題」(公式PDF