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平成30年度 公害防止管理者 騒音・振動概論 問20を解説|新幹線の沿線振動は高架橋区間のほうが大きい

平成30年度 騒音・振動概論 問20は、揺れを生む代表的な発生源について、それぞれの癖と苦情の起こり方を並べた正誤問題です。誤っているものを選びます。

この問題のポイント

取り上げられているのは、工場、建設作業、道路、鉄道という四つの現場です。前半の三つは、揺れが苦情に変わる条件がどこにあるかを問うもので、距離の近さ、作業の種類、そして人の操作という順に切り口が移っていきます。最後の鉄道だけは毛色が違い、線路をどんな構造で支えているかによって沿線の揺れ方が変わるという構造の話です。引っかけの核心はこの最後の一点で、土を盛って支える区間と、橋脚で持ち上げて支える区間のどちらが強く地盤を揺らすかを逆に述べています。土は力を広い面に分散して受け止め、内部で減衰させますが、橋脚は荷重を一点に集めて基礎から地盤へ送り込みます。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(5)(誤っている記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
(1)○(正しい)工場と住まいが入り混じった地域では距離が近く、揺れが減りきる前に住宅へ届きます。
(2)○(正しい)建物を壊す作業は衝撃が大きく、建設作業の苦情の中で目立つ位置を占めます。
(3)○(正しい)機械の性能だけでなく、手順の組み方や運転の仕方が苦情の引き金になることがあります。
(4)○(正しい)時々刻々と不規則に変わり、山になるのは重い車両が通過した瞬間です。
(5)×(誤り)大小が逆です。沿線の揺れは高架橋の区間のほうが大きく出ます。

選択肢(5)のポイント(ここが誤り)

鉄道の揺れが沿線へどう届くかは、線路を支える構造の違いでほぼ決まります。盛土や切土の区間では、レールと枕木、道床を経て伝わった力を土そのものが広い面で受け止めます。土は粒と粒が擦れ合う材料なので、伝わる途中でエネルギーが熱に変わって失われやすく、地盤へ入る前にかなりの部分が減っていきます。これに対して高架橋の区間では、桁が受けた荷重が橋脚を通り、基礎から地盤へと一気に送り込まれます。受け止める面が狭く、減衰させる土の層も途中にないため、同じ列車が同じ速度で通っても沿線の揺れは大きくなります

もうひとつ効いているのが、高架橋そのものが揺れる構造物だという点です。列車が次々に通過するときの荷重の変動は周期を持っており、それが桁や橋脚の揺れやすい周期と重なると、構造物側の揺れが育ちます。育った揺れは基礎を通じてそのまま地盤に伝わるので、音源が地面の上に増えたのと同じ状態になります。土構造の区間にはこの増幅の経路がありません。二つの区間で沿線の揺れ方が違うのは、こうした仕組みの差によるものです。

残る選択肢は、どれも苦情が生まれる場面をそのまま述べたものです。工場の揺れが問題になりやすいのは、住まいと敷地が隣り合っている地域です。揺れは距離とともに急速に小さくなるため、離れていれば問題にならない大きさでも、隣接していれば十分に感じられます。建設作業では、建物を壊す工程が持つ衝撃の大きさが苦情に直結します。そして見落とされがちなのが、同じ機械を使っても作業の手順や運転の仕方で揺れの出方が変わるという点です。低騒音・低振動型の機械を入れれば済むという話ではなく、現場での配慮が結果を左右します。

道路の揺れについては、変動の様子と山の作られ方を分けて理解しておくと確実です。交通量や車種の入れ替わりに応じて値は不規則に上下しますが、突出した山を作るのは重い車両の通過です。路面に段差やわだちがあると、車輪が落ち込むたびに衝撃が路盤へ入るため、同じ車両でも路面の状態で揺れの大きさが変わります。重さと路面の凹凸の組合せという見方を持っておくと、道路交通振動を扱う設問全般に対応できます。

覚え方

  • 鉄道沿線の揺れは、土で支える区間より橋脚で支える区間のほうが大きい
  • 土は広い面で受け止めて内部で減衰、橋脚は狭い基礎から地盤へ集中して伝える。
  • 工場の揺れが苦情になるのは住まいと混在した地域。距離の近さが決め手。
  • 建設作業では、壊す工程の衝撃が大きい。機械の選定だけでなく手順と操作も原因になる。
  • 道路の揺れは不規則に変動し、山を作るのは重い車両。路面の凹凸が上乗せする。

理解度チェック

Q.

新幹線の沿線で振動レベルが大きく出るのは、高架橋の区間と盛土の区間のどちらか。

高架橋の区間です。荷重が橋脚と基礎に集中して地盤へ送り込まれるうえ、構造物自体の揺れも加わります。盛土は土が広い面で受け止め、内部で減衰させます。

Q.

幹線道路沿いで振動レベルのピークを作るのは、主に何か。

大型車の走行です。値そのものは不規則に変動しますが、突出した山は重い車両の通過で作られます。路面の段差やわだちがあると衝撃がさらに大きくなります。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成30年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動概論 問題・正解」(公式PDF