平成30年度 公害防止管理者 騒音・振動概論 問18を解説|振動苦情は建設業と工事・建設作業が最も多い
平成30年度 騒音・振動概論 問18は、揺れに対する苦情がどの業種から、どんな作業から寄せられているかを、多い順の並びで問う問題です。正しい並びになっているものを選びます。
この問題のポイント
並んでいる五つの選択肢は、実は同じ土俵に立っていません。前半は業種の名前で比べる並びで、後半は作業や動きの種類で比べる並びです。どちらの土俵でも、先頭に来るのは地面に直接力を打ち込む工事の側だという点は共通しています。揺れは地盤を伝わって届くので、地面を叩いたり掘り返したり重い機械を走らせたりする行為がそのまま苦情の量に直結するからです。引っかけの核心は一点で、先頭に来るはずのものを二番手以下に落とすか、二番手のものを最下位に押し下げるかという順序の入れ替えにあります。件数そのものを覚える必要はなく、どれが先頭かと、どれとどれが逆転しやすいかを押さえれば足ります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)(正しい記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | 先頭は合っていますが、製造業を最下位に置いた点が誤りです。製造業は鉱業より上に来ます。 |
| (2) | ×(誤り) | こちらも製造業を最下位に置いています。製造業は運輸業より上で、順序が逆です。 |
| (3) | ×(誤り) | 先頭が違います。業種で比べたとき、上に来るのは製造業ではなく建設業です。 |
| (4) | ○(正しい) | 工事や建設の作業が先頭で、次に自動車などの走行、そのあとに工場の機械が動くことによるものが続く並びです。 |
| (5) | ×(誤り) | 先頭が違います。工場の機械が動くことによるものが工事や建設の作業を上回ることはありません。 |
選択肢(4)のポイント(ここが正しい)
揺れの苦情の並びは、揺れがどう伝わるかを考えれば筋道が見えます。音と違って振動は地盤を通って建物へ届くので、地面に力を直接打ち込む行為ほど周囲へ強く伝わります。杭を打つ、コンクリートを砕く、建物を解体する、重い機械を動かして地面を締め固める。これらはどれも地面に大きな衝撃を与える作業で、発生要因の並びで先頭に来る理由になっています。業種の名前で比べたときに建設業が上に来るのも、同じ理由の裏表です。
二番手に自動車などの走行が来るのは、道路の凹凸を大型車が通過するたびに路面から地盤へ衝撃が入るためです。工場の機械が動くことによる揺れは、発生源が敷地内にとどまり、防振の措置がとられている場合も多いため、要因の並びでは走行によるものの下に位置します。この二つは順序を入れ替えた選択肢が用意されているので、まとめて覚えておくと取り違えません。
業種の並びのほうは、建設業に続くのが製造業だという点が焦点です。工場は操業している間ずっと機械が動き続けるため、件数としては上位に食い込みます。この製造業を最下位に押し下げた並びが二つ用意されていて、そこに鉱業や運輸業を挟み込む形になっています。鉱業は事業所の数そのものが限られ、運輸業の揺れも道路交通の側で数えられることが多いため、製造業を上回る位置には来ません。
なお、この種の統計は調査年度によって細かな順位が動くことがあります。試験で問われているのは特定年度の調査結果ですから、件数の数字を暗記するのではなく、先頭に来るものと入れ替えられやすい組合せを押さえるのが確実です。地面に力を打ち込む側が上、敷地内で完結する側が下、という向きだけ掴んでおけば、業種で聞かれても作業で聞かれても答えを絞れます。
覚え方
- 地面に力を打ち込む側が上、敷地内で完結する側が下と考える。
- 業種で比べれば建設業が先頭、次が製造業。鉱業や運輸業はその下。
- 作業で比べれば工事・建設作業が先頭、次が自動車などの走行、その次が工場の機械。
- 選択肢が業種の名前か作業の名前かで、比べている土俵が変わる。読み分ける。
- 件数は調査年度で動く。覚えるのは順序の先頭と、逆転させられやすい組合せ。
理解度チェック
揺れの苦情を業種で比べたとき、先頭に来るのはどれか。
建設業です。地面に直接衝撃を与える作業が多いためで、これに製造業が続きます。製造業を鉱業や運輸業より下に置く並びは誤りです。
発生要因で比べたとき、自動車などの走行と工場の機械の作動ではどちらが上か。
自動車などの走行が上です。全体では工事・建設作業が先頭で、走行、工場の機械の順に続きます。この二つを入れ替えた選択肢が定番の引っかけです。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「平成30年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動概論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月