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平成30年度 公害防止管理者 騒音・振動概論 問17を解説|低周波音の感じやすさは20 Hzが山ではない

平成30年度 騒音・振動概論 問17は、耳では音として捉えにくい低い周波数域の空気の振動について、評価の道具立てと人への現れ方、発生源と対策までを横断的に並べた正誤問題です。誤っているものを選びます。

この問題のポイント

この分野は、覚えるべき数字が二種類あるところが厄介です。ひとつは帯域の境目を示す数字で、評価用の周波数補正がどこからどこまでを守備範囲にしているかを表します。もうひとつは影響が現れ始める目安のレベルで、こちらは人への現れ方を示します。設問はこの二種類に加えて、対策に使う機器の名前と、板が震えて音を出す発生源の典型例まで並べています。引っかけの核心は一点で、帯域の境目を示すはずの数字を、感じやすさが最も強くなる周波数のようにすり替えているところにあります。境目の数字は範囲を区切るための目印であって、そこで感覚が最大になるという意味ではありません。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(2)(誤っている記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
(1)○(正しい)G特性は超低周波音による人体の感覚を評価するための補正特性で、守備範囲は1〜20 Hzです。
(2)×(誤り)20 Hzは帯域を区切る境目の数字で、圧迫感や振動感が最も強まる周波数ではありません。
(3)○(正しい)眠りが浅い段階では、G特性音圧レベルが100 dBあたりから睡眠への影響が現れ始めます。
(4)○(正しい)枝管を分岐させて特定の周波数を打ち消すサイドブランチ形の消音器が用いられます。
(5)○(正しい)大型の振動ふるいでは、面積の大きな平板部分が震えることで低い周波数の音が出ます。

選択肢(2)のポイント(ここが誤り)

20 Hzという数字は、人が音として聞き取れる下限のあたりにあり、この値以下を超低周波音と呼ぶための区切りとして使われます。同時に、超低周波音を測るための周波数補正が受け持つ範囲の上端でもあります。つまり帯域の名前を決めるための境界線であって、人の感覚が最も鋭くなる点ではありません。境目の数字を感覚のピークに読み替えるのが、この選択肢の仕掛けです。

実際の感じ方は、境目で山になるような形をしていません。低い周波数の音では、周波数が下がるほど、同じ強さの圧迫感や振動感を得るのにより高い音圧レベルが必要になります。裏を返せば、同じ音圧レベルなら周波数が低いほうが感じにくいということです。だからこの帯域の中に、20 Hz付近だけ飛び抜けて感じやすくなるような山は現れません。むしろ聞こえにくい音が身体に感じられてしまうところに、この公害の分かりにくさがあります。

この「聞こえにくいのに影響がある」性質があるために、ふつうの騒音計に入っている聴感補正では取りこぼしが起きます。日常の騒音を測る補正は低い周波数を大きく差し引いて評価するので、超低周波音は小さな値としてしか出てきません。そこで専用の補正を当てて測るわけで、選択肢の中で正しい記述として置かれている守備範囲の数字は、この補正がどこまでを見るかを示しています。測るための数字と、感じ方を表す数字は別物と切り分けておけば、両者を混ぜた記述に引っかかりません。

対策の側から見ても、この帯域は扱いにくい相手です。壁や板で遮る方法は周波数が低いほど効きにくく、波長の長い音は隙間や構造を回り込んでしまいます。そのため、管路の途中に枝管や空洞を設けて特定の周波数を打ち消す型の消音器が使われます。発生源としては、大きな平板や板金が面ごと震える機械が典型で、選択肢に挙がっている大型のふるいはその代表例です。板の面積が大きいほど低い周波数の音を出しやすいという見方を持っておくと、発生源を問う設問にも対応できます。

覚え方

  • 20 Hzは帯域を区切る境目の数字で、感じやすさの山ではない
  • G特性は1〜20 Hzの超低周波音を評価する補正。航空機用のD特性と混同しない。
  • この帯域では、周波数が低いほど感じ取るのに高い音圧レベルが要る。
  • 日常の騒音用の補正では低域を大きく差し引くので、専用の補正で測る。
  • 対策は枝管や空洞で打ち消す型の消音器。壁で遮る方法は低い周波数ほど効きにくい。
  • 発生源は面積の大きな平板の振動。大型のふるいや板金構造が典型。

理解度チェック

Q.

超低周波音の人体感覚を評価するのはどの周波数補正で、その守備範囲は。

G特性で、範囲は1〜20 Hzです。日常の騒音に使う補正は低い周波数を大きく差し引くため、この帯域を小さく評価してしまいます。

Q.

低い周波数の音では、周波数が下がると感じやすさはどうなるか。

感じにくくなります。同じ強さの圧迫感や振動感を得るのに、より高い音圧レベルが必要になります。20 Hz付近に感覚の山があるわけではありません。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成30年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動概論 問題・正解」(公式PDF