平成30年度 公害防止管理者 騒音・振動概論 問16を解説|音響エネルギー密度は音の強さを音速で割る
平成30年度 騒音・振動概論 問16は、点音源から一定距離での音の強さ・音圧・エネルギー密度を順に確かめる計算問題です。誤っているものを選びます。
この問題のポイント
この問題は、音響パワーから出発して順に量を導けるかを問うています。分かれ目は最後の音響エネルギー密度で、音の強さを音速で割るという関係を使うと、示された値と桁がずれることが分かります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(5)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 音響パワーを半径1 mの球の表面積で割ると、音の強さが得られます。正しい値です。 |
| (2) | ○(正しい) | 音の強さを基準値と比べてレベルに直した値です。正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | 空気中では音の強さのレベルと音圧レベルはほぼ同じ値になります。正しい記述です。 |
| (4) | ○(正しい) | 音の強さと特性インピーダンスの積の平方根が音圧です。正しい値です。 |
| (5) | ×(誤り) | 音響エネルギー密度は音の強さを音速で割った値です。計算すると示された値の10分の1程度になります。 |
計算の順序と分かれ目
点音源の問題は、音響パワーから順にたどれば全部つながります。まず、放射されたパワーは距離1 mの球面全体に広がるので、パワーを球の表面積で割れば単位面積あたりの通過エネルギー、すなわち音の強さが出ます。これをレベルに直せば音の強さのレベルになり、空気中では音圧レベルもほぼ同じ値になります。音圧そのものは、音の強さと特性インピーダンスの積の平方根として求まります。ここまでは示された値と一致します。
最後の音響エネルギー密度が分かれ目です。音の強さは単位面積を1秒間に通り抜けるエネルギーで、エネルギー密度はその場の空間に溜まっているエネルギーです。音は音速で走り抜けていくので、音の強さを音速で割れば、その場に居座っている量に直せます。計算すると示された値の10分の1程度になり、桁がひとつ違います。
この2つを混同すると、速く走り抜ける音ほどエネルギーが密に溜まっている、という逆の描像になってしまいます。音速で割るのであって掛けるのではないという向きを、「通り抜ける量」と「溜まっている量」の違いから復元できるようにしておいてください。
覚え方
- 点音源はパワー÷球の表面積=音の強さから始める。距離が2倍なら強さは4分の1。
- 音圧=音の強さ×特性インピーダンスの平方根。空気中では音の強さのレベルと音圧レベルはほぼ同じ。
- 音響エネルギー密度=音の強さ÷音速。掛けるのではなく割る。
- 意味で覚える。強さ=通り抜ける量/密度=溜まっている量。走り抜ける速さで割ると溜まり具合になる。
理解度チェック
音響エネルギー密度は、音の強さからどう求めますか。
音の強さを音速で割ります。音の強さは単位面積を1秒間に通り抜けるエネルギー、エネルギー密度はその場の空間に溜まっているエネルギーなので、走り抜ける速さで割ると換算できます。
点音源から距離が2倍になると、音の強さはどうなりますか。
4分の1になります。同じパワーが半径2倍の球面に広がり、球の表面積は半径の2乗に比例して4倍になるためです。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「平成30年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動概論 問題」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月