平成30年度 公害防止管理者 騒音・振動概論 問13を解説|騒音障害防止のためのガイドライン(屋外はB測定のみ)
平成30年度 騒音・振動概論 問13は、働く人を強い音から守るために国が示した指針が、どこで何を測り、どの水準からどんな手当てを求めるかを問う穴埋め問題です。数値と語句の正しい組合せを選びます。
この問題のポイント
指針が扱うのは、周りに迷惑をかけないための音ではなく、そこで働く本人の耳を守るための音です。だから測る場所は敷地の境目ではなく、人が身を置いている場所になります。空欄は四つありますが、実質は測るものの種類、測り方の呼び名、そして手当てを切り替える二つの水準の三点です。壁に囲まれていない場所では、部屋の中と同じやり方が使えないという事情を押さえておくと、測り方の呼び名は迷わず決まります。引っかけの核心は測るものの種類にあり、ひと続きの作業時間の負担を代表させる量と、一回きりの出来事をまとめた量とを入れ替えて提示してきます。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(1)
各空欄に入る語句・数値
| 空欄 | 語句・数値 | 読み解き |
|---|---|---|
| ア | 等価騒音レベル | 変動する音を、同じエネルギーを持つ変わらない音に置き換えて表した量です。作業している間の負担を一つの値で代表させられます。 |
| イ | B | 音源に近い場所で、人が実際に受けている大きさをつかむ測り方です。壁に囲まれていない場所ではこちらだけを行います。 |
| ウ | 85 | この値に届いたところから、状況に応じて耳を守る用具を使うことが求められる、最初の境目です。 |
| エ | 90 | この値に届くと、用具を使うだけでなく、使っていることが分かるよう掲示するといった手当てまで求められます。 |
ここが分かれ目
まず測るものの種類です。作業場の音は、機械が動いたり止まったり、材料が当たったりで絶えず上下します。この上下する音が耳にどれだけの負担をかけたかを見たいなら、山の高さだけを拾っても足りず、時間をかけて受け取った総量で捉える必要があります。そこで使うのが、受け取ったエネルギーを同じ量の変わらない音に置き換えて表す量です。これなら、短く強い音が混じる現場でも、長く続く低めの音が主体の現場でも、同じ物差しで比べられます。
これに対し、選択肢に紛れ込ませてある一発の出来事をまとめた量は、通り過ぎる一台や一回の打撃といった単独の事象を切り出して比べるための道具です。作業時間全体の負担を代表させる用途には向きません。指針が求めているのは働いている間の負担ですから、ここで一発ぶんの量を選ぶと筋が通らなくなります。
次が測り方の呼び名です。屋内の作業場であれば、部屋の中を等しい間隔で区切って全体の様子をつかむやり方と、音源のそばで人が受けている大きさを直接つかむやり方の二本立てになります。ところが壁に囲まれていない場所では、前者が意味を持ちません。仕切りも反射もないため、離れれば下がるだけで、区切って並べても場の状況を代表しないからです。残るのは、人が身を置く音源近くで測るやり方だけ。ここで屋内向けのやり方を選ばせるのが、この問題の典型的な外し方です。
測る時間の取り方にも意味があります。指針は、平均的な時間ではなくその作業で最も大きくなると思われる時間を選んで測らせます。守りたいのは働く人の耳ですから、いちばん厳しい局面で判断するという考え方です。この姿勢は、手当ての切り替えが二段構えになっている点にも表れています。最初の境目に届けば必要に応じて用具を使わせ、さらに上の境目に届けば用具の使用に加えて掲示までさせる。85から要検討、90から掲示までという二段の階段で覚えておくと、順序を逆に書いた選択肢にも引っかかりません。
覚え方
- 壁のない作業場は音源のそばで測るB測定だけ。区切って並べる測り方は屋内用。
- 測るのは時間で均した負担の量。一発の出来事をまとめた量ではない。
- 測る時間は最も大きくなると思われる時間。いちばん厳しい局面で判断する。
- 手当ての境目は85と90の二段。
- 下の段は必要に応じて用具、上の段は用具に加えて掲示。増える手当てで段を見分ける。
理解度チェック
壁に囲まれていない作業場で、屋内向けの測り方を行わないのはなぜか。
仕切りも反射もないため、区切って並べても場の状況を代表しないからです。離れれば下がるだけの場では、人が身を置く音源近くで測るやり方のほうが実態をつかめます。
上下する作業場の音を、時間で均した量で評価するのはなぜか。
耳への負担が受け取ったエネルギーの総量で決まるからです。山の高さだけを拾うと、短く強い音が主体の現場と長く続く音が主体の現場を同じ物差しで比べられません。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「平成30年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動概論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月