平成30年度 公害防止管理者 騒音・振動概論 問11を解説|A特性の補正差で音圧レベルを求める
平成30年度 騒音・振動概論 問11は、騒音レベルが等しい2つの純音について、周波数が違うときの音圧レベルを求める問題です。
この問題のポイント
この問題は、騒音レベルがA特性で重み付けした値であることを押さえていれば解けます。分かれ目は低い周波数ほどA特性で大きく差し引かれるという向きで、その差し引き量の違いがそのまま答えになります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)(約66 dB)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | × | 57 dB。補正の向きを逆にすると、この付近まで下がります。 |
| (2) | × | 60 dB。周波数が変わっても同じでよいと考えた場合の値です。 |
| (3) | × | 63 dB。補正量の差を小さく見積もると、この付近になります。 |
| (4) | ○ | 約66 dB。250 Hzと500 Hzの補正量の差だけ音圧レベルを上げた値と一致します。これが正解です。 |
| (5) | × | 69 dB。補正量の差を大きく見積もりすぎた場合の値です。 |
ここが分かれ目
騒音レベルは、耳の感じ方に近づけるためにA特性という重み付けをかけた音圧レベルです。人の耳は低い音に鈍いので、A特性は低い周波数ほど大きく差し引く形になっています。500 Hzでの差し引きは数dB程度ですが、250 Hzではその倍近くまで大きくなります。
2つの音の騒音レベルが等しいということは、差し引いたあとの値が同じだということです。250 Hzのほうが差し引かれる量が大きいのですから、同じ騒音レベルに達するには、その差の分だけ元の音圧レベルを高くしておく必要があります。250 Hzと500 Hzの補正量の差はおよそ5 dBなので、60 dBにこれを足した値が答えになります。
向きを間違えると選択肢(1)へ落ちます。低い音は聞こえにくいのだから音圧レベルは低くてよい、と考えるのが逆で、聞こえにくいからこそ同じうるささにするには大きな音圧が要るのです。この関係は等ラウドネス曲線が低い周波数で持ち上がっていることと同じ話で、A特性はその曲線をひっくり返した形になっています。
覚え方
- 騒音レベル=A特性で重み付けした音圧レベル。低い周波数ほど大きく差し引かれる。
- 騒音レベルが等しい=差し引いた後が同じ。差し引きが大きい側は元を高くしておく必要がある。
- 向きは「低い音は聞こえにくい→同じうるささには大きな音圧が要る」。下げるのではなく上げる。
- A特性は等ラウドネス曲線を裏返した形。曲線が持ち上がる帯域ほど大きく引かれる。
理解度チェック
騒音レベルが等しい2つの純音で、周波数が低いほうの音圧レベルはどうなりますか。
高くなります。A特性は低い周波数ほど大きく差し引くため、差し引いた後を同じ値にそろえるには、元の音圧レベルをその差の分だけ高くしておく必要があります。
A特性の重み付けは、何をもとにした形ですか。
人の耳の感じ方を表す等ラウドネス曲線をもとにしています。曲線が持ち上がる(感度が鈍い)帯域ほど大きく差し引く形になっています。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「平成30年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動概論 問題」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月