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平成30年度 公害防止管理者 騒音・振動概論 問8を解説|騒音公害の苦情(原因の順位と発生地域)

平成30年度 騒音・振動概論 問8は、国がまとめた平成27年度の苦情の集計をもとに、音にまつわる訴えが全体のどれくらいを占め、何を相手に、どういう土地で起きているかを問う穴埋め問題です。語句の正しい組合せを選びます。

この問題のポイント

問われているのは四か所ですが、実質は三つの物差しです。ひとつは全体の中での比重、ふたつめは原因を種類分けしたときの上位ふたつ、みっつめは土地の使われ方による区分です。統計の細かい数字を覚える問題ではなく、誰がどこで音に困るのかという日常感覚と結び付けば選べるようにできています。引っかけの核心は原因の順位で、住民の生活のすぐ隣で始まるものと、敷地の中で動き続けるものとを入れ替えて提示してきます。加えて土地の区分でも、人が暮らす場所と人が商う場所をすり替える形が用意されています。訴えは音の大きさではなく暮らしとの近さで起きる、という一本の筋で通すのが早道です。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(2)

各空欄に入る語句

空欄語句読み解き
1/3典型7公害の苦情の中でこの分野は最も多い区分で、おおよそ3件に1件を占めます。7分野に分かれていながら3件に1件という重さが、感覚公害の際立った点です。
工事・建設作業住宅のすぐ隣で突然始まり、しかも相手が目の前にいるため、原因の区分としては最も多く挙がります。
産業用機械作動工場や事業場で動く機械が次に多い区分です。作業と違って続く音である一方、立地が住宅から離れている分だけ件数は下に来ます。
住居地域訴える人が住んでいる場所で最も多く起きます。都市計画の区分でいえば、暮らしを守ることを主眼に定められた地域です。

ここが分かれ目

迷いが出るのは原因の上位ふたつの並びです。音の大きさや鳴っている時間の長さだけで考えると、一日中動き続ける工場の機械のほうが多そうに思えます。しかし苦情という行為は、不快さと訴えやすさの掛け算で起きます。工事や建設の作業は、住民の家のすぐ横で、しかも予告なく始まることが珍しくありません。相手が誰かもその場で分かり、いつ終わるかも見えない。だから訴えに結び付きやすいのです。

これに対し工場や事業場の機械は、そもそも用途を分けた土地に置かれることが多く、住宅との距離があります。長く操業していれば周囲との関係もでき、規制の対象として届出や基準の枠にも入っています。音そのものは続いていても、件数の順で上に来るのは作業のほうだという点を、大きさの比較と取り違えないことです。

三番手として置かれた自動車などの動く発生源も、順位を狂わせるために差し込まれています。道路の音は多くの人が浴びていますが、鳴らしている相手が特定の一台ではないため、どこへ訴え出ればよいかが定まりません。被害を受けている人数の多さと、苦情として数えられる件数の多さは別物だと割り切ってください。

もうひとつの分かれ目は土地の区分です。ここで商業地域を選ばせようとするのは、繁華街のほうが音が大きいという印象を突いた仕掛けです。しかし訴えるのは、そこに暮らして眠り、休んでいる人です。商いのために人が集まる場所では、もともと音が多いことを承知のうえで居るため、同じ音でも訴えには結び付きにくくなります。音の量が多い場所ではなく、静けさを必要とする人がいる場所で苦情が起きると押さえておけば、ここは落としません。

覚え方

  • 苦情は不快さ×訴えやすさで決まる。音の大きさの順ではない。
  • 原因の上位は、暮らしの隣で始まる作業が先、敷地内で動く機械が後。
  • 動く発生源は浴びる人が多くても、相手が定まらないので件数の順位は上がりにくい。
  • 地域別は、静けさを必要とする人が住む区分が最多。にぎやかな区分ではない。
  • 感覚公害は、7分野に分かれた苦情の中で3件に1件という重さを占める。

理解度チェック

Q.

工場の機械のほうが長時間動いているのに、苦情の件数で作業のほうが上に来るのはなぜか。

作業は住宅のすぐ隣で、予告なく始まるからです。相手がその場で分かり終わりも見えないため訴えに直結します。工場は用途を分けた土地に置かれて距離があり、規制の枠内で運転されていることも多いため、件数では下に来ます。

Q.

発生地域の区分で、にぎやかな商いの地域が最多にならないのはなぜか。

苦情を出すのはそこで暮らし、眠り、休んでいる人だからです。音の総量が多い場所ではなく、静けさを必要とする人が居る場所で訴えが起きます。したがって最も多いのは暮らしを主眼に定められた地域です。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成30年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動概論 問題・正解」(公式PDF