平成30年度 公害防止管理者 騒音・振動概論 問6を解説|せん断機は振動側の一覧に無い
平成30年度 騒音・振動概論 問6は、公害防止の組織を置くべき工場かどうかを決める設備の一覧に、その機械が載っているかを見分ける正誤問題です。一覧に無いものを選びます。
この問題のポイント
組織づくりの法律は、音を出す設備の一覧と、揺れを出す設備の一覧を別々に用意しています。どちらも金属を加工する機械から始まる似た構成なのですが、並んでいる機械の顔ぶれは完全には一致していません。ここに引っかけの核心があります。選択肢はどれも、機械の名前に能力や出力の下限をきちんと添えた形で書かれており、数字はいかにも本物らしく見えます。ところが数字の当てはめは第二段階の話で、その前に、その機械の名前がそちらの一覧に載っているかどうかという第一段階があります。名前が載っていなければ、どんな条件を満たしていても対象にはなりません。二つの一覧を一枚にまとめて覚えてしまった人ほど、機械の名前だけを見て素通りします。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(5)(対象に含まれない記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 該当 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(該当) | 機械式のプレスは音の側の一覧に載っており、呼び加圧能力の下限も添えられたとおりです。 |
| (2) | ○(該当) | 打って成形する機械も音の側の一覧にあり、落下部分の重さで範囲が絞られています。 |
| (3) | ○(該当) | 液圧式のプレスは揺れの側の一覧にあり、矯正用のものを外す但し書きも付いています。 |
| (4) | ○(該当) | 機械式のプレスは揺れの側の一覧にもあり、能力の下限は音の側と同じ値が使われています。 |
| (5) | ×(該当しない) | 刃で切り離す機械は音の側にはありますが、揺れの側の一覧には置かれていません。 |
選択肢(5)のポイント(ここが誤り)
二つの一覧を並べると、金属を加工する機械のところで重なりとずれがはっきりします。押しつぶす機械は液圧式も機械式も両方の一覧に顔を出し、能力の下限まで共通の値が使われています。だからこの手の設備は、音の側と書かれていても揺れの側と書かれていても正しく読めます。ところが刃で材料を切り離す機械は、音の側の一覧にしか置かれていません。選択肢(5)は、その機械を揺れの側に配置し直したうえで、いかにも正しそうな出力の下限を添えて出してきています。
切る動作と押しつぶす動作の違いを思い浮かべると、この線引きは腑に落ちます。刃が材料を断ち切る瞬間には鋭い音が立ちますが、力が働くのは刃と材料が接する狭い範囲で、機械全体が床を突くような大きな力にはなりにくいものです。これに対し、押しつぶす機械や打って成形する機械は、大きな部材が上下して材料を叩き、その反作用がそのまま床へ抜けていきます。床へ伝わる力の大きさが、揺れの側に載るかどうかを分けていると考えると、覚え直しやすくなります。ただし政令が理由を書き添えているわけではないので、試験では理屈より一覧の顔ぶれそのものを覚えるほうが確実です。
この型の問題で失点を防ぐ手順は決まっています。まず選択肢が音の側の話か揺れの側の話かを確かめ、次にその機械の名前がそちらの一覧にあるかを見て、それから初めて数値の条件を照合します。順番を逆にして数値から入ると、名前のずれに気づかないまま条件だけを納得してしまいます。もっともらしい数字が添えられているときほど、一段手前に戻って名前を確かめてください。
覚え方
- 音の一覧と揺れの一覧は別物。片方で覚えた顔ぶれをもう片方に流用しない。
- 押しつぶす機械は両方の一覧にあり、能力の下限も共通。切り離す機械は音の側だけ。
- 床へ抜ける力が大きい動作ほど揺れの側に載る、と動作で結び付けて覚える。
- 照合の順番は、側を確かめる、名前を探す、最後に数値。数値から入らない。
- もっともらしい数字が付いている選択肢ほど、名前のすり替えを疑う。
理解度チェック
せん断機は、騒音発生施設と振動発生施設のどちらの一覧に載っているか。
騒音発生施設の側だけです。振動発生施設の一覧には置かれていないため、出力の条件を満たしていても振動側の対象にはなりません。
この種の選択肢を照合するとき、数値の条件から確かめるのがなぜ危険か。
数値が正しくても、その機械の名前がそちらの一覧に無ければ対象になりません。名前の確認を飛ばすと、条件だけ納得して誤りを見逃します。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「平成30年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動概論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月