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平成30年度 公害防止管理者 騒音・振動概論 問4を解説|振動の大きさを測るのは市町村長

平成30年度 騒音・振動概論 問4は、揺れを規制する法律で使われる言葉の意味と、行政の役割分担を確かめる正誤問題です。誤っているものを選びます。

この問題のポイント

並んでいる五つのうち三つは言葉の意味そのもので、規制の対象となる施設とは何か、物差しは何をどこではかるものか、その物差しを守る義務は誰にかかるか、という順に条文の定義がなぞられています。残る二つは行政の側の話で、一つは地域の状況を把握するための測定、もう一つは条例との関係です。差がつくのは測定のほうで、地域を線引きして数値を割り付ける役と、その地域で実際に測る役が別々の階層に置かれていることを知っているかどうかで決まります。設計する側と現場を回す側という二層の構造は、音の法律でもまったく同じ形で採られており、片方を押さえればもう片方にもそのまま効きます。定義の三つは条文どおりなので、読み飛ばさず順に確認すれば消去法でも到達できます。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(4)(誤っている記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
(1)○(正しい)工場や事業場に置かれる施設のうち著しい揺れを出すものを政令で名指しする、という定義どおりです。
(2)○(正しい)物差しは敷地の境界線ではかった大きさの許容限度と定義されており、はかる場所まで含めた定めです。
(3)○(正しい)指定された地域の中で対象の工場等を設置している者に、基準を守る義務がかかります。
(4)×(誤り)地域の揺れの大きさを測る役は市町村長で、都道府県知事ではありません。主語だけがすり替えられています。
(5)○(正しい)この法律とは違う角度から地方公共団体が条例で規制を設けることを妨げない、という調整規定が置かれています。

選択肢(4)のポイント(ここが誤り)

この法律の行政は、はっきり二階建てになっています。上の階にいるのが都道府県知事で、住居が集まる地域などを規制の対象として指定し、時間帯や区域の区分ごとに基準の数値を割り付けます。市の区域についてはその市長が同じ役を担います。ここまでが制度の設計です。下の階にいるのが市町村長で、事業者から出てくる届出を受け取り、基準に合わない状態があれば期限を切って勧告し、従わないときは命令へ進みます。そして地域の揺れの大きさを測るのも、この下の階の役目です。測定の主語を都道府県知事と書いた時点で、階層がひとつずれています

なぜ測定が市町村長なのかは、測る目的を考えると腑に落ちます。この測定は、指定した地域で実際にどれだけの揺れが出ているかを継続してつかむためのもので、苦情の受付や届出の審査、勧告の判断とひとつながりの作業です。現場に最も近い行政が持っているほうが自然で、測る役と是正させる役が同じ手にあるからこそ、把握から対処までが一本の線になります。音の法律もまったく同じ形で、地域の音の大きさを測るのは市町村長です。二つの法律をまとめて「線引きは上、測定と運用は下」と覚えてしまうのが早道です。

もう一点、この測定は事業者に測らせる規定ではないことにも注意してください。敷地の境界線ではかる規制基準の話と、行政が地域の状況を把握するための測定は別の話です。前者は個々の工場が守るべき上限であり、後者は地域全体の実態を追うための行政の仕事です。選択肢(2)と(4)を並べて読むと、同じ「測る」という言葉でも指しているものが違うことがはっきりします。

覚え方

  • 地域の揺れを測るのは市町村長。都道府県知事は線引きと基準づくりの担当。
  • 届出の受理・測定・勧告・命令は同じ手に集める。把握から対処までを一本にするため。
  • 物差しをあてる場所は敷地の境界線。工場の中でも住宅の中でもない。
  • 音の法律と揺れの法律は役割分担が同じ形。片方を覚えればもう片方にも効く。
  • この法律とは違う角度から地方公共団体が条例で規制することは妨げられない。基準の差し替えとは別の話。

理解度チェック

Q.

指定地域の振動の大きさを測るのは誰か。また、なぜその者なのか。

市町村長です。届出の受理や勧告・命令といった現場の運用と同じ手に測定を置くことで、実態の把握から是正までが一本につながります。

Q.

規制基準は、どの場所ではかった大きさの許容限度か。

特定工場等の敷地の境界線です。はかる場所まで含めて定義されているため、工場内部や住宅内での測定値とは切り分けて考えます。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成30年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動概論 問題・正解」(公式PDF