平成30年度 公害防止管理者 騒音・振動概論 問2を解説|届出の期限はすべて30日
平成30年度 騒音・振動概論 問2は、規制対象の機械を置く事業者に課される手続の流れと行政側の権限を確かめる正誤問題です。誤っているものを選びます。
この問題のポイント
この分野の手続は、地域の線引き、設置前の届出、内容が変わったときの届出、そして基準に合わない場合の是正という順で組み立てられています。並んだ五つはこの流れをほぼ順番どおりになぞっており、条文の言い回しをそのまま追える人には素直に読めます。差がつくのは最後の一つで、期間の数字だけがすり替えられている点です。この法律は届出の期限をひとつの数字でそろえており、事前に出すものも、変わってから出すものも、同じ日数で統一されています。そこに別の数字を差し込むのが定番の作り方で、本文の主語や行為が正しく書かれているぶん、数字を意識せずに読むと通り過ぎてしまいます。手続を覚えるときは、誰が誰に、いつまでに、という三点のうち「いつまでに」を独立して押さえておくのが効きます。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(5)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 地域の線引きは都道府県知事(市の区域は市長)が行い、その前に関係町村長の意見を聴く手順が置かれています。 |
| (2) | ○(正しい) | 新たに規制対象の機械を据える場合は、工事に取りかかる30日前までに市町村長へ届け出ます。 |
| (3) | ○(正しい) | 小規模の事業者に対しては、事業の遂行に著しい支障が出ないよう内容に配慮する定めが置かれています。 |
| (4) | ○(正しい) | 基準に適合せず周辺の生活環境が損なわれると認めるとき、市町村長には改善を勧告する権限があります。 |
| (5) | ×(誤り) | 名称や所在地が変わったときの届出は30日以内で、60日ではありません。日数だけがすり替えられています。 |
選択肢(5)のポイント(ここが誤り)
この法律の届出は、事前に出すものと、事が起きてから出すものの二種類に分かれます。据え付けの工事に取りかかる前に出す届出は、行政が内容を確かめて必要なら計画の変更を求める時間を確保するためのもので、工事開始の30日前までという前倒しの期限が付きます。一方、工場の名称が変わった、所在地が変わった、あるいは対象の機械の使用をすべてやめた、といった事後の報告は、その日から30日以内という後ろ向きの期限になります。向きは逆でも日数は同じで、この法律に60日という期限は置かれていません。
選択肢(5)は、届出をする者も、届け出る先も、届け出るきっかけも正しく書いています。正しい文の中に数字だけを紛れ込ませるのがこの型の常套手段で、意味の通る日本語として滑らかに読めてしまうぶん、数字を照合する習慣がないと素通りします。手続の条文を読むときは、行為と主語を追う目とは別に、数字だけを拾う目をもう一度通すのが有効です。
あわせて押さえたいのが窓口の違いです。規制する地域を指定するのは都道府県知事ですが、市の区域についてはその市長が行い、その手前で関係町村長の意見を聴きます。これに対し、事業者からの届出を受け、必要なら勧告や命令を出すのは市町村長です。地域の設計は都道府県側、日々の運用は市町村側という役割分担で、選択肢(1)と(2)はこの二層構造をそのまま述べたものです。是正の手順も、いきなり命令に飛ぶのではなく、まず期限を切った勧告を行い、それに従わないときに命令へ進む段取りになっています。
覚え方
- 届出の期限は前も後ろも30日。工事は30日前まで、変更は起きてから30日以内。
- 事前届出の狙いは、行政が計画の変更を求める時間の確保。だから前倒しの期限になる。
- 地域を指定するのは都道府県知事側、届出を受けて動くのは市町村長。層が違う。
- 是正は勧告が先、命令が後。順番を入れ替えた選択肢は誤り。
- 60日・14日といった見慣れない日数が出たら、まずそこを疑う。
理解度チェック
工場の名称や所在地が変わったとき、いつまでに誰へ届け出るか。
変更があった日から30日以内に、市町村長へ届け出ます。設置の届出が工事開始の30日前までであるのと向きは逆ですが、日数は同じです。
規制する地域を指定する者と、事業者の届出を受ける者は同じか。
異なります。地域の指定は都道府県知事(市の区域はその市長)が行い、届出の受理や勧告・命令は市町村長が担います。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「平成30年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動概論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月