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平成30年度 公害防止管理者 汚水処理特論 問24を解説|分析法と関連語句の組合せ(隔膜ポーラログラフ式は溶存酸素計)

平成30年度 汚水処理特論 問24は、測定の手法や計器と、その原理を表す言葉との結び付きを問う組合せ問題です。誤っているものを選びます。

この問題のポイント

並んでいるのは、水質の現場で使う代表的な計器と、その動作を支える法則や方式の名前です。ひとつずつ「この言葉は何を測る道具のものだったか」と逆から辿ると判断が早くなります。四つは計器と原理が正しく対応していますが、ひとつだけ別の項目を測る計器の方式名が持ち込まれています。しかも紛らわしいことに、その方式名も水質分析ではよく出てくる言葉で、同じ電気化学の仲間です。だからこそ「電気を使う計器だから合っていそうだ」という感覚で流すと取り違えます。方式の名前を覚えるときは、どの成分を測る道具に付いている名前なのかまで一組にしておくのが安全です。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(4)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
(1)○(正しい)吸光度が濃度と光の通る長さに比例するという関係が、吸光光度法の土台です。
(2)○(正しい)電極の形と間隔で決まる係数を測定値に掛けて、電気伝導率に換算します。
(3)○(正しい)酸化と還元の勢いが電極の電位差として現れる関係を、この式が表します。
(4)×(誤り)膜で隔てて電極を使う方式は溶存酸素計のもので、pH計はガラス電極を使います。
(5)○(正しい)消費された酸素を電気分解で補い、流した電気量から酸素消費量を求める方式があります。

選択肢(4)のポイント(ここが誤り)

隔膜ポーラログラフ式という名前は、溶存酸素を測る計器の方式です。電極を薄い膜で水から隔て、膜を通り抜けて内部へ拡散してきた酸素だけを電極で還元させます。このとき流れる電流は、膜を通ってくる酸素の量、すなわち水中に溶けている酸素の濃度に応じて変わります。だから電流を読めば溶存酸素濃度が分かる、という仕掛けです。膜を挟むのは、水中の妨害物質を電極に触れさせず、酸素だけを選んで通すためです。

これに対してpH計は、まったく別の作りをしています。使うのはガラス電極で、特殊なガラスの薄膜をはさんで内側と外側の水素イオンの量に差があると、そこに電位差が生じます。この電位差を、基準となる比較電極との間で読み取り、pHに換算します。電極に電流を流して物質を反応させる方式ではなく、生じている電位を測る方式である点が、溶存酸素計との決定的な違いです。したがってpH計と隔膜ポーラログラフ式を結ぶこの組合せは成り立ちません。

まぎらわしいのは、電位を測る方式という点ではORP計もpH計も同じ仲間だということです。実際、酸化還元電位と成分の量との関係を表す式は、pHの測定原理を説明するときにも顔を出します。それでも試験でよく問われるのは計器と原理語句の定番の一対一対応ですから、pH計にはガラス電極、ORP計には酸化還元電位を表す式、溶存酸素計には隔膜ポーラログラフ式、と割り切って結び付けておけば取りこぼしません。加えて、電気伝導率計に付くのは電極の形状で決まる係数、吸光光度法に付くのは吸光度と濃度の比例関係、BOD計には電気量から酸素消費量を割り出す方式、と並べておくと、この種の組合せ問題は一目で処理できるようになります。

覚え方

  • 隔膜ポーラログラフ式は溶存酸素計、pH計はガラス電極。この二つを入れ替える出題が定番。
  • 膜で隔てて電流を読む方式は、測る相手が酸素だと考える。
  • 吸光光度法は吸光度と濃度が比例する関係が土台。
  • 電気伝導率計は、電極の形と間隔で決まる係数を掛けて換算する。
  • 計器の方式名は、必ず「何を測る計器のものか」とセットで覚える。

理解度チェック

Q.

隔膜ポーラログラフ式とは、何を測るどのような方式か。

溶存酸素を測る方式です。電極を膜で水から隔て、膜を通って入ってきた酸素を電極で還元させ、そのとき流れる電流の大きさから溶存酸素濃度を求めます。

Q.

pH計はどのような原理で水素イオンの量を読み取るか。

ガラス電極を用い、ガラス薄膜の内外で水素イオンの量に差があるときに生じる電位差を、比較電極との間で測定してpHに換算します。電流を流して反応させる方式ではありません。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成30年度 公害防止管理者等国家試験 汚水処理特論 問題・正解」(公式PDF