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平成30年度 公害防止管理者 汚水処理特論 問7を解説|弱酸性陽イオン交換樹脂の活性基

平成30年度 汚水処理特論 問7は、イオンを捕まえる樹脂に付いている官能基が、どの種類の樹脂のものかを見分ける問題です。該当するものを選びます。

この問題のポイント

並んでいる五つの官能基は、酸としてはたらくもの二つと、塩基(アミン系)としてはたらくもの三つに、まず大きく割れます。ここで酸性の基は陽イオンを、塩基性の基は陰イオンを捕まえるという対応を思い出せれば、選ぶ範囲は一気に二つまで絞れます。残る分かれ目は、その二つのうちどちらが強い酸で、どちらが弱い酸かという点だけです。官能基の名前を丸暗記するのではなく、酸・塩基のどちら側の性質をもつ基なのかという化学の基本に戻すのが早道です。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(4)

各選択肢の正誤

選択肢該当解説
(1)×(該当しない)アミン系は塩基性の基なので陰イオンを捕まえる側にあたり、弱塩基性陰イオン交換樹脂に使われます。
(2)×(該当しない)これもアミン系で、弱塩基性陰イオン交換樹脂の活性基です。陽イオン側ではありません。
(3)×(該当しない)強い塩基性を示す基で、強塩基性陰イオン交換樹脂に用いられます。
(4)○(該当する)弱い酸として振る舞う基で、弱酸性陽イオン交換樹脂の活性基です。これが正解です。
(5)×(該当しない)陽イオン交換側ではあるものの強い酸に相当するため、強酸性陽イオン交換樹脂の活性基です。

選択肢(4)のポイント(ここが答え)

イオン交換樹脂は、網目状につながった樹脂の骨格に、イオンをやり取りする官能基(活性基)を取り付けたものです。この活性基が酸性か塩基性かで、捕まえられるイオンの符号が決まります。酸性の基は水素イオンを手放して負の電荷を帯びるので、代わりに正の電荷をもつ陽イオンを引き寄せます。塩基性の基は正の電荷を帯びるので、陰イオンを引き寄せます。ここまでで五つの候補は、酸性の二つと塩基性の三つにはっきり分かれます。

次に酸性の二つを比べます。スルホン酸基は硫酸に近い強い酸で、水素イオンを容易に手放すためスルホン酸基を選ぶと「弱酸性」ではなく「強酸性」の樹脂を答えたことになります。これに対しカルボキシル基は酢酸に代表される弱い酸で、水素イオンを手放す力が弱く、弱酸性陽イオン交換樹脂の活性基がカルボキシル基です。塩基性側も同じ強弱の対応があり、第四級アンモニウム基が強塩基性陰イオン交換樹脂、第二級や第三級のアミンが弱塩基性陰イオン交換樹脂にあたります。四つの樹脂と四つの基が、酸・塩基の強弱で一対一に並んでいる形です。

この強弱の違いは使い方にも表れます。弱酸性の樹脂は酸性の水の中では活性基が水素イオンを離さないため、酸性側では交換能力がほとんど出ません。裏を返せば、再生するときに必要な酸の量が少なくて済むという利点があり、硬度成分の除去のように用途を絞れば効率よく働きます。強酸性の樹脂は水のpHにあまり左右されず幅広く使える代わりに、再生には多めの酸が要ります。強い基ほど守備範囲が広く、弱い基ほど条件は選ぶが再生が軽いという関係で覚えておくと、樹脂の選定を問う出題にも対応できます。

覚え方

  • 酸性の基=陽イオン交換、塩基性(アミン)の基=陰イオン交換。まずこの二択で半分に切る。
  • 強酸=スルホン酸基、弱酸=カルボキシル基。硫酸と酢酸の強さの差をそのまま当てはめる。
  • 強塩基=第四級アンモニウム基、弱塩基=第一級〜第三級のアミン。「第四級だけ強い」と覚える。
  • アミンという語が見えたら陰イオン交換。陽イオンを問われているなら候補から外す。
  • 弱い基の樹脂は使える条件が狭い代わりに、再生の薬品が少なくて済む。

理解度チェック

Q.

スルホン酸基とカルボキシル基は、それぞれどの樹脂の活性基か。

スルホン酸基が強酸性陽イオン交換樹脂、カルボキシル基が弱酸性陽イオン交換樹脂です。どちらも酸性の基なので捕まえるのは陽イオンで、違いは酸としての強さだけです。

Q.

第四級アンモニウム基と第三級アミンの違いは。

どちらも塩基性の基で陰イオン交換樹脂に使われますが、第四級アンモニウム基は強塩基性、第二級・第三級のアミンは弱塩基性の樹脂の活性基です。強塩基性の樹脂は幅広い陰イオンを扱え、弱塩基性の樹脂は再生が容易という特徴があります。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成30年度 公害防止管理者等国家試験 汚水処理特論 問題・正解」(公式PDF