1. HOME
  2. 過去問解説
  3. 汚水処理特論
  4. 平成30年
  5. > 問3 横流式沈殿池の必要な長さ

平成30年度 公害防止管理者 汚水処理特論 問3を解説|横流式沈殿池の長さは表面積で決まる

平成30年度 汚水処理特論 問3は、懸濁粒子を目標の除去率まで沈めるのに必要な横流式沈殿池の長さを求める計算問題です。

この問題のポイント

この問題は、沈殿池の性能は水面の広さで決まり、深さは効かないという表面負荷率の考え方をそのまま使えば解けます。分かれ目は与えられた深さ5 mを計算に使ってしまわないかです。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(5)(30 m)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
(1)×10 m。除去率をかけ忘れたり、面積の扱いを誤ると小さく出ます。
(2)×15 m。深さを計算に持ち込むと、この付近の値になります。
(3)×20 m。除去率の掛け方を取り違えると近い値が出ます。
(4)×25 m。単位換算の途中で桁を落とすと、この付近に寄ります。
(5)30 m。全量沈める面積に除去率をかけ、幅で割った値と一致します。これが正解です。

計算の手順

手順内容
手順1 単位をそろえる沈降速度は分あたりの長さ。センチメートルをメートルに直します。0.02 m/min
手順2 全量沈める面積流量を沈降速度で割ると、粒子をすべて沈めるのに要る水面の面積が出ます。500 m²
手順3 除去率をかける除去率は面積に比例します。目標の6割に当たる面積を求めます。300 m²
手順4 長さを出す面積を幅で割ります。深さは使いません。30 m

ここが分かれ目

横流式沈殿池の設計は表面負荷率という考え方が土台になっています。粒子が水面から底まで沈むのにかかる時間と、池を通り抜けるのにかかる時間を比べて、沈むほうが早ければ捕まる、という関係です。この2つの時間を式で書き下すと深さが約分されて消えます。だから沈殿池の性能は水面の広さ(表面積)だけで決まり、深さには依存しません与えられた深さ5 mを使おうとすると、そこで詰まります。

除去率の扱いも同じ理屈から出ます。表面積を半分にすれば沈み切る粒子も半分になるので、除去率は表面積に比例するとみなせます。全量を沈める面積を出してから目標の割合をかける、という順で進めれば迷いません。除去率を沈降速度や流量のほうにかけてしまうと、同じ数字を使っていても別の答えになります。

覚え方

  • 沈殿池の性能は水面の広さで決まり、深さは効かない。深さが問題文にあっても使わない。
  • 全量沈める面積=流量÷沈降速度。この形が表面負荷率。
  • 除去率は面積に比例。全量分の面積に割合をかけてから幅で割る。
  • 深さが効かないのは、沈む時間と滞留時間の両方に深さが入って約分されるから。理由ごと覚える

理解度チェック

Q.

横流式沈殿池の除去性能は、池のどの寸法で決まりますか。

水面の面積(表面積)です。沈降にかかる時間と滞留時間の両方に深さが入って約分されるため、深さは性能に効きません。

Q.

除去率を上げるには、何をどれだけ大きくすればよいですか。

表面積を除去率に比例して大きくします。除去率が6割なら、全量を沈められる面積の6割にあたる面積が必要です。

平成30年度 公害防止管理者 過去問解説 一覧へ

出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成30年度 公害防止管理者等国家試験 汚水処理特論 問題」(公式PDF