平成30年度 公害防止管理者 ダイオキシン類概論 問13を解説|PCBsの用途と生産量
平成30年度 ダイオキシン類概論 問13は、かつて工業製品に広く使われた塩素化ビフェニルについて、長所・使い道・作られた量を並べた一文から、下線を引いた5か所のうち誤っている1か所を選ぶ問題です。誤っている箇所を選びます。
この問題のポイント
前半は性質と用途、後半は生産量という構成です。性質と用途はいずれも定番で、燃えにくく電気を通しにくいという長所がそのまま使い道につながっているため、素直に読めば引っかかりません。差がつくのは後半の量のほうで、世界全体の数字と国内の数字が並べて置かれています。国内は世界の何分の1かという桁の感覚を持っているかどうかが、そのまま正誤の判断になります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(5)(誤っている箇所)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 電気を通しにくい性質は最大の長所で、変圧器やコンデンサーの絶縁油という主用途を支えていました。 |
| (2) | ○(正しい) | 熱に強く分解しにくいため、熱を運ぶ液体としても使われました。用途として正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | 圧力で色が出る複写紙の溶剤としても使われ、回収が難しい用途として問題になりました。 |
| (4) | ○(正しい) | 世界全体の生産量として示された値は、一般に引用される水準と一致します。 |
| (5) | ×(誤り) | 国内の生産量はこの値ほど多くありません。世界全体の20分の1程度で、5万t台にとどまります。 |
選択肢(5)のポイント(ここが誤り)
覚えておきたいのは、世界と国内の関係がおおよそ20対1だという比です。世界全体で100万tという値を出発点にすれば、国内はその20分の1にあたる5万t台と導けます。問題文の数値は国内を実際の3倍近くに膨らませたもので、世界の1割以上を日本が作っていたことになってしまうため、比の感覚があればその場で外れと分かります。
数値そのものを覚えにくい場合は、桁で押さえるのが実戦的です。世界は100万tの桁、国内は数万tの桁、と一段違うところに置いておけば足ります。似た問題では世界側の数値をいじってくることもあるので、どちらか一方だけを暗記していると片側の改変を見抜けません。二つの数値を比とセットで持つのが安全です。
背景として、国内では食用油への混入による健康被害が明るみに出たことをきっかけに生産が中止され、その後は化学物質の審査と製造規制に関する法律によって製造・輸入・使用が禁じられました。使用済みの機器が長く保管され続けたことが処理を難しくし、後の特別措置につながっています。用途のうち感圧複写紙のように広く散らばったものは回収がとくに困難で、選択肢に用途が並ぶときはこの回収の難しさとセットで思い出すと定着します。
覚え方
- 生産量は世界が100万tの桁、国内はその20分の1の桁。比で持つと改変に強い。
- 長所は、燃えない・電気を通さない・熱に強い・分解しにくいの4点。
- 長所がそのまま用途になる。絶縁油、熱を運ぶ液体、複写紙の溶剤。
- 分解しにくいという長所は、環境に出た後は最大の欠点に変わる。
- 数値の下線問題は、桁が一つずれていないかを最初に疑う。
理解度チェック
PCBsが絶縁油に使われたのは、どの性質によるものですか。
電気を通しにくく、燃えにくい性質によるものです。熱にも強く分解しにくいため、変圧器やコンデンサーに適していました。
国内の生産量は、世界全体と比べてどのくらいですか。
20分の1程度です。世界が100万tの桁であるのに対し、国内は5万t台にとどまります。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「平成30年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類概論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月