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平成30年度 公害防止管理者 ダイオキシン類概論 問11を解説|構造式とTEFの大小

平成30年度 ダイオキシン類概論 問11は、五つの構造式を見比べて、毒性の重みづけが最も軽いものを1つ選ぶ問題です。図から塩素の数と位置を読み取って答えます。

この問題のポイント

物質名ではなく図で出題されるため、まず骨格を見分け、次に塩素の数を数え、最後に塩素がどこについているかを確かめる、という三段階で処理します。骨格の見分けは酸素の数で決まり、上下2か所を酸素で留めていればジオキシン、片側だけが酸素でもう片側が炭素どうしの結合ならフラン、酸素がなく環が直接つながっていればビフェニルです。判断の中心になるのは、塩素が多い=毒性が強い、ではないという点で、塩素が増えて骨格の端まで埋まったものほど重みは軽くなります。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(3)

各選択肢の正誤

選択肢読み取れる構造解説
(1)フラン骨格
塩素5個
外側の4か所がすべて塩素で埋まり、そこに1個加わった形です。フラン骨格の中で最大の重み(0.3)が与えられています。
(2)ジオキシン骨格
塩素6個
外側の4か所が埋まったうえで、酸素に隣り合う2か所にも塩素がついた六塩素体で、重みは0.1です。
(3)フラン骨格
塩素7個
片方の環の4か所が全部塩素で埋まり、置換できる位置が1か所しか残っていません。重みは0.01で、五つの中で最も小さい値です。
(4)フラン骨格
塩素6個
外側の4か所に加えて2か所が埋まった六塩素体です。重みは0.1で、(3)より一桁大きい値になります。
(5)ビフェニル骨格
塩素6個
つなぎ目の隣に塩素がなく平面をとれるコプラナーPCBです。重みは0.03で、(3)より大きくなります。

選択肢(3)のポイント(ここが決め手)

五つを並べると、塩素の数は5個から7個まで散らばっています。塩素が最も多いのが(3)で、そこが答えになるという逆転が本問の骨です。毒性の強さを決めているのは受容体のくぼみにぴたりとはまる形かどうかで、細長い平面のうえに塩素が4隅だけついた形が最もよくはまります。ここに塩素が追加されるほど分子は太くなり、はまり具合がゆるみます。塩素が多いほど強い、という直感は逆で、置換が進んだ末端の八塩素体になると重みはさらに小さくなります。

(3)は片方の環の置換できる4か所がすべて塩素で埋まり、残る自由な位置は反対側の環に1か所だけという、かなり詰め込まれた形をしています。塩素の数が(2)や(4)より1個多いことが、そのまま重みを一桁下げています。逆に最も軽く見える(1)は、塩素の数こそ最少ですが外側4か所を過不足なく押さえており、五つの中で最大の重みを持ちます。数ではなく配置で読むという原則が、そのまま得点差になります。

骨格の違いも忘れずに確認します。酸素を持たないビフェニル骨格は、環と環のつなぎ目の隣に塩素が入るとねじれて平面を保てなくなり、重みが与えられません。(5)はつなぎ目の隣が空いているため平面をとれる型で、重みは与えられていますが、それでもフラン骨格の上位よりは小さい水準に置かれています。

覚え方

  • 骨格は酸素の数で見分ける。酸素2個=ジオキシン、1個=フラン、0個=ビフェニル
  • 重みは塩素の数に比例しない。四塩素体から五塩素体あたりが山で、塩素が増えるほど下がる。
  • 外側の4か所が埋まっているかを最初に確認する。ここが空いていれば重みは与えられない。
  • フラン骨格の最大は、外側4か所に1個足した五塩素体。
  • コプラナーPCBは、つなぎ目の隣が塩素で塞がると平面を保てず対象から外れる。

理解度チェック

Q.

構造式に酸素が1個だけ描かれていたら、どの骨格ですか。

フラン骨格です。片側を酸素で、もう片側を炭素どうしの結合でつないだ形になります。酸素が2個ならジオキシン骨格です。

Q.

塩素の数が多い異性体ほどTEFは大きくなりますか。

なりません。四塩素体から五塩素体あたりが最も大きく、塩素が増えて骨格が埋まるほど小さくなります。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成30年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類概論 問題・正解」(公式PDF