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平成30年度 公害防止管理者 ダイオキシン類概論 問10を解説|TEFの種類数と値

平成30年度 ダイオキシン類概論 問10は、毒性の重みづけが法令でどう割り当てられているかを述べた短い文章から、下線を引いた5か所のうち誤っている1か所を選ぶ問題です。誤っている箇所を選びます。

この問題のポイント

毒性等価係数(TEF)は、2,3,7,8‒TeCDDの毒性を1としたときの相対的な重みです。この問題は、重みを与えられている物質の総数と内訳、そして代表的な物質の重みの値という二層構造で作られています。総数と内訳は暗記していれば一瞬で判定できるので、勝負どころは値のほうです。狙われているのは、名前がよく似た五塩素体のフランが二つあるという点で、塩素のつく位置が一つずれるだけで重みは桁違いに変わります。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(4)(誤っている箇所)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
(1)○(正しい)重みが与えられているのは、ジオキシン骨格7種、フラン骨格10種、コプラナーPCB12種の合計です。この合計が総数と一致します。
(2)○(正しい)コプラナーPCBの内訳は、環がねじれずに平面をとれるものと、そこに塩素が1個加わったものを合わせた数で、記述の数と一致します。
(3)○(正しい)ジオキシン骨格の五塩素体は、基準物質と同じ重み1が与えられています。重みが1になるのはこの2物質だけです。
(4)×(誤り)基準物質の30%の重みを与えられているのは、フラン骨格の別の五塩素体です。ここに書かれた物質の重みはその10分の1にとどまります。
(5)○(正しい)コプラナーPCBの中で重みが最も大きいのは、両方の環の同じ位置に塩素がそろい、さらに1個加わった五塩素体で、記述の物質と値が一致します。

選択肢(4)のポイント(ここが誤り)

フラン骨格に塩素が5個ついた物質のうち、重みを与えられているものは二つあります。両者は塩素の総数がまったく同じで、名前も途中まで同じに見えますが、塩素がどこにつくかだけが違います。毒性の強さを決めているのは、環の外側にあたる4か所(2位・3位・7位・8位)が塩素で埋まっているかどうかです。この4か所が埋まったうえで、酸素や環のつなぎ目に近い位置に塩素が加わるほど、受容体との結合がゆるみ重みは下がります。

問題文が挙げている物質は、外側4か所のうち1か所が空いたまま、代わりに端の位置に塩素がついた形です。そのため重みは基準物質の30%ではなく、その10分の1にあたる3%どまりです。30%の重みを持つのは、外側4か所が埋まったもう一方の五塩素体で、これはフラン骨格の中で最も大きな重みを与えられている物質でもあります。数字ではなく物質名のほうが誤っているという作りなので、値だけを見て正しいと早合点すると外します。

この誤りは、下線の位置に注目すると見抜きやすくなります。下線が数値ではなく物質名に引かれているとき、出題側はその値を持つのが別の物質だと言わせたいのが定石です。塩素の位置が一つ違えば別物という原則を思い出せるかどうかが分かれ目になります。

覚え方

  • 重みが与えられるのはジオキシン7・フラン10・コプラナーPCB12の三つ組。足せば総数になる。
  • 重み1は基準物質とジオキシン骨格の五塩素体の2物質だけ。
  • 外側の4か所が塩素で埋まっているものほど重みが大きい。端の位置に塩素が増えると下がる。
  • 塩素数が同じでも位置が違えば別物質。名前は末尾ではなく先頭の数字列で見分ける。
  • コプラナーPCBの重みは、ジオキシン骨格やフラン骨格の上位より小さい。

理解度チェック

Q.

TEFが1と定められている物質はいくつありますか。

2物質です。基準となる四塩素体のジオキシンと、ジオキシン骨格の五塩素体の二つだけが1を与えられています。

Q.

塩素の数が同じなら、TEFも同じになりますか。

なりません。同じ数でも塩素のつく位置が違えば重みは大きく変わり、10倍の開きが出ることもあります。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成30年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類概論 問題・正解」(公式PDF