1. HOME
  2. 過去問解説
  3. ダイオキシン類概論
  4. 平成30年
  5. > 問7 ダイオキシン類問題の歴史

平成30年度 公害防止管理者 ダイオキシン類概論 問7を解説|ダイオキシン類問題の歴史

平成30年度 ダイオキシン類概論 問7は、この物質が世界で問題として意識されていった一連の出来事に関する正誤問題です。誤っているものを選びます。

この問題のポイント

1970年代後半から1980年代半ばにかけての流れが、年代順に五つ並べられています。前半は工場の事故や埋立地の汚染といった、事業活動が直接の引き金になった出来事です。後半に入ると舞台が移り、ごみを燃やした後に残る灰から見つかったという話になります。焼却が発生源として意識され始めた転換点がここにあります。引っかけの核心は年号ではなく国名の入れ替えで、同じ時期に欧州で起きた別々の動きを一つの国にまとめてしまう仕掛けになっています。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(5)(誤っている記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
(1)○(正しい)イタリア北部の農薬工場で起きた爆発事故で、周辺の居住地域へ大量に飛散した代表的な事例です。年・工場・量とも整合します。
(2)○(正しい)都市ごみ焼却炉の飛灰から検出されたのはオランダで、焼却が発生源として浮かび上がる端緒になりました。
(3)○(正しい)埋め立てられた産業廃棄物による汚染が明らかになり、住民の立ち退きにまで至った事件です。
(4)○(正しい)我が国でも同じ時期に焼却炉の飛灰が分析され、結果が公表されています。年の記載も食い違いません。
(5)×(誤り)焼却炉の建設を一時凍結した国が入れ替えられています。それを行ったのは北欧の国です。

選択肢(5)のポイント(ここが誤り)

1985年に都市ごみ焼却炉の建設を一時凍結したのはスウェーデンです。この措置は、焼却が発生源であるという見方が固まってきたことを受け、影響の程度がはっきりするまで新設を止めるという判断でした。この肢は、その国名を飛灰から検出された国のほうに差し替えています。同じ欧州で近い時期に起きた出来事なので、まとめて一国の話だと思い込んでいると素通りしてしまいます。

整理の仕方はこうです。飛灰からの検出という科学的な発見が起きた国と、その知見を受けて建設を止めるという行政的な決断を下した国は別だ、と役割で分けて覚えます。発見はオランダ、凍結はスウェーデンです。前半の三つも、事故によるもの、埋立処分によるもの、と原因の型が違うことを意識すると混ざりません。歴史の肢では年号ばかり気にしがちですが、この問題のように国名や主体をすり替える手口のほうが実際には多く出ます。年表を覚えるときは、出来事と場所と主体をひとかたまりにして頭に入れておくと安全です。

覚え方

  • 流れは工場事故→飛灰から検出→埋立地の汚染→日本でも検出→焼却炉の建設凍結
  • 発見はオランダ、凍結はスウェーデン。発見の国と決断の国を分けて覚える。
  • セベソは爆発事故、ラブキャナルは埋立処分。原因の型で区別する。
  • 歴史の肢は年号より主体・国名のすり替えを疑う。

理解度チェック

Q.

都市ごみ焼却炉の飛灰からダイオキシン類が初めて検出されたのはどこの国ですか。

オランダです。1977年のこの検出が、焼却を発生源として意識するきっかけになりました。

Q.

1985年に都市ごみ焼却炉の建設モラトリアムを実施したのはどこの国ですか。

スウェーデンです。飛灰から検出された国と混同しないよう、発見と決断を切り分けて覚えます。

平成30年度 公害防止管理者 過去問解説 一覧へ

出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成30年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類概論 問題・正解」(公式PDF