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平成30年度 公害防止管理者 ダイオキシン類概論 問6を解説|PCDDs・PCDFs・PCBsの構造

平成30年度 ダイオキシン類概論 問6は、この物質群に数え入れられる三つの化合物グループが、それぞれどんな骨組みでできているかに関する正誤問題です。誤っているものを選びます。

この問題のポイント

三つのグループは、いずれもベンゼン環を二つ持つという点で共通しており、違いはその二つをどうつないでいるかだけです。酸素二つで橋を架けたもの、酸素一つと炭素どうしの結合でつないだもの、そして環と環を直につないだもの、という三段階で整理できます。つなぎ方が変わると、環の上で塩素が入れる席の数も変わります。引っかけの核心はまさにその席数で、骨組みの図を思い浮かべて数え直せば決着がつきます。用語の言い換えを問う肢も混ぜてありますが、そちらは日常的な呼び名の話です。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(5)(誤っている記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
(1)○(正しい)二つの環を酸素二つで橋渡しし、真ん中に六員環ができる形で、ジベンゾ-パラ-ジオキシンの骨格そのものです。
(2)○(正しい)橋の片方が酸素、もう片方が炭素どうしの結合で、真ん中が五員環になります。ジベンゾフランの骨格です。
(3)○(正しい)骨格の炭素についた水素が塩素に置き換わることで、多数の異性体や同族体が生じます。
(4)○(正しい)文献や実務では、この一群を短くフランと呼ぶ言い方が定着しています。
(5)×(誤り)ビフェニルという骨格の指摘は正しいものの、そこに付いている水素の数が実際とずれています。

選択肢(5)のポイント(ここが誤り)

ビフェニルは、ベンゼン環二つが単結合で直接つながった骨格です。ベンゼン環は炭素六つでできており、そのままなら水素も六つ付きます。ところが相手の環とつながるために、両方の環がそれぞれ一か所ずつを結合に差し出します。したがって残る水素は一つの環につき五つ、二つ合わせてにしかなりません。十二という数は、二つの環がつながっていないことを前提にした数え方で、ビフェニルの骨格と両立しません。

この数を押さえておく実益は大きく、塩素が入り込める席の数がそのまま十であることを意味します。席が十あるからこそ、塩素の数と位置の組合せが膨大になり、性質も毒性も大きく異なる仲間が数多く生まれます。骨格の図を描いて、環と環をつなぐ結合のところには水素が付かないと確認する癖をつけておけば、数字だけを暗記して取り違える事故を防げます。ちなみに三つのグループを見比べると、酸素の数が二つ、一つ、ゼロと減るにつれて、真ん中の環が六員環、五員環、そして環そのものが無い形へと変わっていきます。この並びで覚えると構造問題全般に効きます。

覚え方

  • 三つの骨格は酸素2つで六員環、酸素1つで五員環、酸素なしで直結と並べて覚える。
  • ビフェニルの水素は10個。環同士をつなぐ結合の分だけ、両方から1つずつ減る。
  • 水素の数がそのまま塩素の入れる席数。席の多さが異性体の多さにつながる。
  • フランはPCDFsの通称。呼び名の言い換えを誤りだと早合点しない。

理解度チェック

Q.

ビフェニルの骨格に付いている水素はいくつですか。

10個です。ベンゼン環は単独なら水素6個ですが、環同士をつなぐ結合に1か所ずつ使うため、それぞれ5個ずつになります。

Q.

PCDDsとPCDFsで、二つのベンゼン環のつなぎ方はどう違いますか。

PCDDsは酸素2個で橋渡しして真ん中が六員環になり、PCDFsは酸素1個と炭素どうしの結合でつながって五員環になります。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成30年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類概論 問題・正解」(公式PDF