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平成30年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問23を解説|ピークの同定条件

平成30年度 ダイオキシン類特論 問23は、装置に現れた山を目的の化合物だと言い切ってよいかどうかの判定条件を問う穴埋め問題です。ア~エに入る語句の正しい組合せを選びます。

この問題のポイント

塩素には質量の違う二つの安定な種類があり、その混ざり具合は自然界でほぼ決まっています。だから塩素を何個も抱えた分子は、質量が2ずつ違う複数の山を決まった比率で連れて現れます。この比率は化合物ごとに計算でき、実測の比がそれと合っていれば、山の正体はほぼ確定します。判定の分かれ目は二つ、比を取る量として高さと面積のどちらを使うか、そして濃度が低いほど比のばらつきが大きくなるため、許容の幅を広げるという取り扱いです。数字が二つ並ぶ設問では、どちらが広い側かを先に決めると迷いません。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(3)

各選択肢の正誤

空欄入る語句読み解き
面積山の高さは形の崩れや裾の広がりに左右されますが、面積は取り込んだ量そのものを表します。定量にも同定にも面積を使います。
15通常の濃度域で認められる許容幅です。検量線を作るときに標準品の比を確かめる幅も同じ考え方で置かれています。
25低い濃度ではノイズの影響で比が揺れるため、通常より広い幅が認められます。イより必ず大きい数字が入ります。
順位標準品が手に入らない化合物は保持時間を合わせられないため、同じ塩素数の仲間が出てくる並び順を手がかりにします。

ここが分かれ目

まず、比較する量を高さにしてはなりません。山の高さは、装置の状態や共存成分の影響で形がゆがむと簡単に変わります。裾が横に広がれば高さは下がりますが、取り込んだ量そのものは変わりません。量に比例するのは面積のほうなので、同位体の比を確かめるときも面積で比べます。定量に使う値と同定に使う値をそろえておけば、判断の根拠が一本化されるという利点もあります。

次に、二つの数字の大小関係です。低い濃度では山がノイズの中に沈みかけており、面積の読み取り自体が不安定になります。ここで通常と同じ狭い幅を当てはめれば、本物であるにもかかわらず条件を外れる山が続出します。そこで、限界値の3倍以下という低い濃度域には広い幅が用意されています。薄いほど許容幅は広いという向きを取り違え、低濃度側を狭くした組合せを選ぶと外れます。最後の空欄も落とし穴です。標準品のない化合物には保持時間の照合ができないため、頼れるのは同じ仲間がカラムから出てくる並び順だけになります。速度という語を入れたくなりますが、カラムから流れ出る速さは条件しだいで動く量であり、判定の物差しにはなりません。

覚え方

  • 比べるのは高さではなく面積。量に比例するのは面積のほうだから。
  • 許容幅は通常±15%、限界値の3倍以下という低い濃度では±25%。薄いほど広い。
  • 塩素の数が増えるほど、決まった比で並ぶ山の数も増える。これが同定の物差しになる。
  • 標準品がなければ溶出の順位で判断する。速度ではない。

理解度チェック

Q.

同位体の比を高さではなく面積で比べるのはなぜですか。

面積が取り込んだ量に比例するからです。高さは山の形の崩れや裾の広がりで変わってしまい、量を正しく反映しません。

Q.

低い濃度で許容幅が広く取られているのはなぜですか。

ノイズの影響で比が揺れるからです。狭い幅のままでは、本物の山まで条件を外れて拾えなくなります。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成30年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF
  • JIS K 0311(排ガス中のダイオキシン類の測定方法)