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平成30年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問22を解説|試料採水量の算出

平成30年度 ダイオキシン類特論 問22は、装置に注ぐ一滴の感度を出発点にして、現場でくみ取っておくべき水の量を逆算する計算問題です。必要な最低量を選びます。

この問題のポイント

直前の問と骨格はまったく同じで、最後に割る相手が煙道のガスの体積から水のかさに変わるだけです。装置に入ったのは検液のごく一部、その検液も抽出液のごく一部から作られています。この二つの取り分けを順に戻して、抽出液全体が背負っている量まで持ち上げてから、目標の濃度で割ります。戻すときに掛ける比の分母は、必ず実際に使った量です。分取の比が半分ちょうど、注入の比が10分の1と扱いやすい数字なので、単位もそろっており、手順さえ間違えなければ暗算でも届きます。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(3)(15 L)

計算の手順

手順内容
手順1注いだのは検液の一部なので検液の全量に戻す。0.06 pg×(10 µL÷1 µL)=0.6 pg。
手順2その検液は抽出液の半分から作ったので抽出液の全量に戻す。0.6 pg×(200 mL÷100 mL)=1.2 pg。
手順3採水量=抽出液全量に相当する量÷目標濃度=1.2 pg÷0.08 pg/L=15 L。よって選択肢(3)。

ここが分かれ目

誤りが生まれる場所は二つに絞られます。一つは注入の段階で、10 µLの検液から1 µLだけを注いだのに、装置が見た量をそのまま検液全体の量として扱ってしまう取り違えです。これをすると1.2 pgではなく0.12 pgとなり、必要な量は1.5 Lになります。もう一つは分取で、200 mLのうち100 mLを使ったのだから抽出液全体は2倍と考えるべきところを、逆に半分にしてしまう間違いです。この場合は0.3 pgから3.75 Lが出てきます。取り分けた側から全体へ戻すのだから値は必ず大きくなると決めておけば、逆向きの計算はその場で弾けます。

もう一点、答えの読み方にも注意が要ります。ここで求まる15 Lは、狙った検出下限に届かせるために最低限くみ取っておかなければならない量であって、これで足りるという上限ではありません。現場では抽出をやり直す可能性を見込んで予備の試料もあわせて採ることが望ましいとされており、実際の採水量はこれより多めになります。また、目標の検出下限そのものは評価したい濃度から決まります。評価対象の濃度が下がれば必要な採水量は跳ね上がるという関係にあるので、答えの数値だけでなく、どこから逆算が始まっているのかを押さえておいてください。

覚え方

  • 注入と分取の二段階を戻してから割る。戻す操作では値は必ず大きくなる
  • 採水量=(測定方法の限界値×検液全量÷注入量×抽出液全量÷分取量)÷目標濃度。
  • 排ガスの場合と式は同じ。最後に割る相手が体積かかさかの違いしかない。
  • 出てくるのは必要な最低量。予備の試料も見込んで実際は多めに採る。

理解度チェック

Q.

抽出液200 mLのうち100 mLを分取したとき、抽出液全体に戻すには何倍しますか。

2倍です。使ったのは半分なので、200÷100を掛けて全体に戻します。

Q.

目標の検出下限を半分に厳しくすると、必要な採水量はどうなりますか。

2倍になります。割る相手が半分になるためで、感度が同じなら量で稼ぐしかありません。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成30年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF
  • JIS K 0312(工業用水・工場排水中のダイオキシン類の測定方法)