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平成30年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問19を解説|排ガス試料採取装置の条件

平成30年度 ダイオキシン類特論 問19は、煙道から測るための吸引装置が満たすべき条件と、形式ごとに使える相手がどう違うのかを問う正誤問題です。誤っているものを選びます。

この問題のポイント

煙道の中を流れているガスの一部を抜き取るとき、抜き取る速さが流れの速さとずれると、粒子の入りかたが偏ります。だから吸い込み速度の許容幅がまず決まり、続いて捕まえ損ねがないこと、途中で分解も新たな生成も起こさないこと、といった性能条件が並びます。そのうえで、規格には性格の違う形式がいくつも載っています。引っかけの核心はここで、相手を選ばず使える万能さは、基本形として位置付けられた形式だけが持つ性質です。簡便さを狙って構成を削った形式に同じ触れ込みを付けると、成り立たなくなります。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(5)(誤っている記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤理由
(1)○(正しい)吸い込み速度の許容幅として規格に定められた値です。遅すぎる側を厳しく、速すぎる側をやや緩く取る非対称な幅になっています。
(2)○(正しい)通り抜けを許すと実際より低い濃度が出てしまうため、捕まえ切る能力があることが装置の前提条件になります。
(3)○(正しい)装置の中で新たに生まれたり壊れたりすれば、測っているのは煙道の実態ではなくなります。これも前提条件に含まれます。
(4)○(正しい)ろ過で粒子を、吸収瓶で液に溶かし込み、さらに吸着で残りを捕らえる三段構えで、規格が基本と位置付けている形式です。
(5)×(誤り)吸着剤の材質と円筒状という構造の説明は合っていますが、相手を選ばず使えるという部分が誤りです。この形式には使用範囲の定めがあります。

選択肢(5)のポイント(ここが誤り)

選択肢の前半、つまり粒子をろ過で受けたあと、専用に成形された円筒状の吸着体で残りを捕らえるという構造の説明は、規格の記述どおりです。誤っているのは末尾に付いた適用範囲の断定だけで、この一語が付くことで、本来は基本形にしか許されない性質を別の形式に移してしまっています。吸収液を使わずに済むぶん現場での扱いは軽くなりますが、その簡便さは条件を絞ることで成り立っています。

規格では、この形式について対象とする排ガスの種類が絞られ、あわせて水分の割合と一酸化炭素の濃度に上限が置かれています。湿りが多ければ吸着体が水を含んで捕集能力が落ち、不完全燃焼の度合いが強ければ共存する成分が邪魔をするからです。定められた範囲の外で使うのであれば、装置としての条件を満たすことを別途確かめる必要があります。これに対し、三段構えの基本形は相手を選ばずに使えると明記されています。万能と書かれていたらどの形式の話かを疑うのが、この手の設問への構えです。設問は正しい説明を長く並べたうえで最後に一語だけ足す作りなので、読み飛ばすと拾えません。

覚え方

  • 相手を選ばず使えるのはろ過・吸収液・吸着の三段構えを持つ基本形だけ。構成を削った形式には範囲の定めがある。
  • 吸い込み速度の許容幅は-5%から+10%。遅い側が厳しい非対称と覚える。
  • 装置の前提条件は、捕集率が十分、二次生成や分解が起こらない、損失や汚染がない、の三本柱。
  • 簡便な形式ほど適用の条件が細かい。楽になった分だけ制約が付く、と対で覚える。

理解度チェック

Q.

吸い込み速度が煙道の流速より遅いと、どんな誤差が出ますか。

粒子を多めに拾ってしまいます。慣性の大きい粒子が吸い込み口の周りから回り込むためで、濃度が高めに出ます。だから遅い側の許容幅が狭く取られています。

Q.

円筒状の吸着体を使う形式で、湿りの多い排ガスが避けられるのはなぜですか。

吸着体が水を含んで捕集能力が落ちるからです。吸収液を持たない構成のため、水分の影響を逃がす余地がありません。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成30年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF
  • JIS K 0311(排ガス中のダイオキシン類の測定方法)