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平成30年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問18を解説|検出下限と定量下限の定義

平成30年度 ダイオキシン類特論 問18は、どこまで薄いものを見つけられるかという限界を、どの段階について定めるのかを問う正誤問題です。誤っているものを選びます。

この問題のポイント

薄い濃度を扱う分析では、値が出たという事実だけでは足りず、その値を信じてよいかどうかが問われます。そこで、装置そのものの実力、前処理を含めた一連の操作の実力、そして採取量まで織り込んだ試料側の実力、という三つの段階に分けて限界値を決めます。段階を分けるのは、感度が落ちたときに原因がどこにあるかを切り分けるためです。この問題の引っかけは知識ではなく日本語の向きにあります。下限という言葉が指すのは小さい側の限界であり、そこに大きい側を表す語を差し込めば、意味は反対になります。ほかの選択肢は段階の切り分けと報告のしかたを素直に述べています。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(3)(誤っている記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤理由
(1)○(正しい)扱う量が極めて小さいため、装置の状態や前処理の丁寧さといった条件の差が、そのまま値のばらつきに跳ね返ります。だからこそ限界値を管理する必要があります。
(2)○(正しい)装置だけの実力、前処理まで含めた実力、採取量まで含めた実力の三段階について、それぞれ検出の限界と定量の限界が決められています。
(3)×(誤り)装置の側の限界は、これより少ないと見つけられなくなるという小さい側の境目です。大きい側の境目とすると意味が逆になります。
(4)○(正しい)前処理から装置での測定までを通しで行い、そこで見つけられる最小の量として決めます。装置単独より不利な値になります。
(5)○(正しい)見つかったが数値として信用しきれない範囲と、数値として使える範囲は意味が違うため、報告では区別して示します。

選択肢(3)のポイント(ここが誤り)

限界値は、標準液を繰り返し測ったときの値の散らばりから決めます。ばらつきの3倍にあたる量を検出の限界、10倍にあたる量を定量の限界とするのが基本の考え方です。散らばりを基準にしているのですから、これが意味するのはノイズに埋もれずに姿を見せられる最小の量であって、装置が処理できる上限ではありません。設問は小さい側を表す語に大きい側の説明を貼り付けており、そこが誤りです。

この取り違えは、単なる言葉遊びでは済みません。限界値を上限と読み違えると、値が小さいほど良いという管理の向きが崩れます。実際の運用では、装置の限界値が定められた水準より大きくなったときに、器具や機器を点検して感度を取り戻す、という手当てをします。つまり限界値は小さく保つべき管理指標です。また、三つの段階は不利になる順に並んでいます。装置だけを見た限界値がもっとも小さく、前処理を含めると悪化し、さらに採取量で割った試料側の値へと変換されます。段階を混ぜて覚えると、どの数字と比べるべきかが分からなくなります。どの段階の話をしているのかを毎回確かめてください。

覚え方

  • 下限とつく語はすべて小さい側の境目。最大量という説明が出たら反射的に誤りと判断する。
  • 限界値はばらつきから決める。ばらつきの3倍が検出の限界、10倍が定量の限界。
  • 段階は装置→測定方法→試料の順で、後ろほど条件が厳しく値は大きくなる。
  • 報告では、見えたが数えきれない範囲と、数えられる範囲を分けて書く。

理解度チェック

Q.

装置の側の限界値と、前処理を含めた限界値では、どちらが大きくなりますか。

前処理を含めたほうです。抽出や精製での損失や汚染が上乗せされるぶん、見つけられる最小量は不利になります。

Q.

試料の側の限界値は、何によって変わりますか。

採取量です。同じ操作でも多く採るほど濃度に直したときの限界値は小さくなり、薄い濃度まで評価できます。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成30年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF
  • JIS K 0311(排ガス中のダイオキシン類の測定方法)