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平成30年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問12を解説|亜鉛回収炉と電気炉ダスト

平成30年度 ダイオキシン類特論 問12は、非鉄金属の回収工程で使われる五つの炉を並べ、製鋼の排ガスから捕まえた粉じんをそのまま受け入れて処理するのはどれかを答えさせる組合せ問題です。二つの記号の正しい組合せを選びます。

この問題のポイント

五つの炉は、同じ回収の流れの中でも立ち位置が違います。粉じんを受け入れて亜鉛を取り出す入口の炉、いったん濃縮した中間物を扱う後段の炉、そして水分を飛ばしたり粉を塊にしたりする前後の補助設備が混ざっています。分かれ目は粉の状態のまま受け入れられるかという一点で、炉の形と原料の形をひもづけて考えれば、名前だけの暗記に頼らずに絞り込めます。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(2)

各選択肢の正誤

記号直接処理読み解き
a当たらない縦型で電気抵抗の熱を使い、亜鉛を蒸留して金属として取り出す炉です。粉じんではなく、先に濃縮・成形された装入物を扱う後段に位置します。
b当たる横に寝た円筒が回転する炉で、原料とガスが逆向きに流れます。粉じんを炭材と一緒に装入し、亜鉛を蒸気にして飛ばす形式です。
c当たる同じ回転円筒の形式で、酸化物の状態にある亜鉛を炭素で還元します。こちらも粉じんをそのまま受け入れられます。
d当たらない水分を除いて次の工程に渡すための設備で、亜鉛を還元して回収する炉ではありません。
e当たらない粉状の装入物を焼き固めて塊にする設備で、蒸留炉へ送る前の形をととのえる役割です。

粉じんを直接受け入れるのは b と c で、この組合せは選択肢(2)です。

ここが分かれ目

製鋼の電気炉から出る粉じんは、亜鉛を含んだ非常に細かい粉です。これをそのまま扱える炉は、横に寝た円筒を回転させる形式に限られます。粉と炭材を一緒に投入すると、回転によってかき混ぜられながら加熱され、亜鉛が炭素で還元されて蒸気となり、原料の流れとは逆向きに進むガスに乗って炉外へ運ばれます。出口で冷えて再び酸化物の微粒子になったところを集じん装置で捕まえるのが、この方式の一連の流れです。揮発と還元は別の原理だと考えて片方だけを選ぶと外れます。還元が起きなければ亜鉛は蒸気にならないので、二つは同じ現象の別の呼び方に近い関係にあります。

これに対し、縦型で電気抵抗を熱源にする蒸留炉は、亜鉛の純度を上げて金属として回収する後段の設備です。細かい粉をそのまま詰めるとガスが通らないため、装入する前に塊にする工程が必要になります。焼き固める設備と水分を飛ばす設備が別に用意されているのは、まさにそのためです。同じ亜鉛回収の設備群に並んでいるからといって、どれもが粉じんの受け皿になるわけではありません。粉のまま入るのは回転する炉、塊にしてから入るのは縦型の炉、という対応で覚えると混乱しません。

なお、この工程がダイオキシン類の対策対象になるのは、受け入れる粉じんに樹脂や油に由来する炭素分と塩素分が同居しているためです。それを加熱するのですから、生成の条件は最初からそろっていることになります。

覚え方

  • 粉のまま入るのは回転する横型の炉、塊にしてから入るのは縦型の炉
  • 向流式=原料とガスが逆向き。出ていくガスが入ってくる原料を予熱する。
  • 亜鉛を飛ばすには炭素で還元するのが先。揮発と還元はひと続き。
  • 乾燥や焼結は前処理。回収そのものを担う炉と役割が違う。
  • 製鋼の粉じんが非鉄の製錬へ回るのは、そこに亜鉛が濃縮しているから。

理解度チェック

Q.

電気炉の粉じんを粉のまま受け入れられるのは、どんな形式の炉ですか。

横に寝た円筒が回転する形式の炉です。粉と炭材をかき混ぜながら加熱でき、亜鉛を蒸気にして運び出せます。

Q.

縦型の蒸留炉に粉じんを直接入れられないのはなぜですか。

細かい粉ではガスが通らないからです。焼き固めて塊にする工程を挟んでから装入します。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成30年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF