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平成30年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問9を解説|細孔の分類と比表面積

平成30年度 ダイオキシン類特論 問9は、排ガス中のダイオキシン類を表面に捕まえる炭素系の材料について、その表面積の桁と、材料に開いた穴の大きさによる呼び分けを問う正誤問題です。誤っている記述を選びます。

この問題のポイント

前半の三つは、捕まえる側と捕まえられる側の相性、そして炭素材が持つ表面積の水準を問うています。後半の二つは打って変わって、穴の直径をどこで区切ってどう呼ぶかという用語の暗記です。引っかけの核心は、区切りの数値そのものではなく名前と範囲の対応にあります。大きいほうの境目が示されているのだから、残った中間の帯には中間を意味する名前が来るはずだ、という筋道で読めば取り違えを防げます。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(5)(誤っている記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤理由
(1)○(正しい)ダイオキシン類は水になじまない性質が強く、水をはじく炭素の表面のほうに落ち着こうとするため、よく吸着します。
(2)○(正しい)賦活によって内部に無数の穴が開くため、活性炭は1グラムあたり数百から千を超える平方メートルという表面積を持ちます。
(3)○(正しい)活性コークスは穴の開き方が活性炭ほど進んでおらず、表面積は活性炭より小さい水準にとどまります。
(4)○(正しい)大きいほうの境目は50 nmで、これを超える穴は大きい穴という意味の名前で呼ばれます。
(5)×(誤り)2 nmから50 nmの帯はメソ孔(中間の穴)です。ミクロ孔はさらに小さい、2 nm未満の穴を指します。

選択肢(5)のポイント(ここが誤り)

炭素材の穴は、直径によって三段に呼び分けられます。小さいほうから、2 nm未満がミクロ孔、2 nmから50 nmがメソ孔、50 nmを超えるとマクロ孔です。この問題は50 nm以上をマクロ孔とする記述を別の選択肢で正しいものとして置いているので、残る帯は自動的に真ん中の名前になります。それにもかかわらず2 nmから50 nmの帯にミクロ孔の名を当てているのが誤りです。ミクロ孔とメソ孔の境が2 nmである点を落とすと、二つの名前がまるごと一段ずれます。

三段に分ける意味は、それぞれの役割が違うところにあります。マクロ孔は粒の外から内部へ物質を運び込む通路、メソ孔はそこから枝分かれして奥へ導く道、そしてミクロ孔が実際に分子を抱え込む部屋です。吸着容量を稼いでいるのは最も細いミクロ孔ですが、そこへたどり着く経路が塞がれば容量は使えません。排ガス処理でばいじんやミストが表面に付いて入口を潰すと性能が落ちるのは、この構造のためです。穴が細いほど性能が高いと単純に決めつけると、通路の役割を見落とします。

覚え方

  • 境目の数値は二つだけ。2 nm未満がミクロ、2〜50 nmがメソ、50 nm超がマクロ
  • 名前の頭は大きさの順。ミクロ<メソ<マクロで素直に並ぶ。
  • 吸着量を稼ぐのはミクロ孔、運び込むのはマクロ孔とメソ孔。
  • 比表面積が大きい材料ほど吸着容量が大きい。同じ炭素でも賦活の度合いで桁が変わる。
  • 水になじまない物質は、水をはじく表面に付きやすい。

理解度チェック

Q.

直径2 nmから50 nmの細孔は何と呼びますか。

メソ孔です。2 nm未満がミクロ孔、50 nmを超えるとマクロ孔で、メソ孔はその中間の帯を指します。

Q.

ダイオキシン類が炭素材の表面に付きやすいのはなぜですか。

水になじまない性質が強いからです。水中や湿ったガス中では水と離れて、水をはじく固体表面のほうへ移りやすくなります。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成30年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF