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平成30年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問7を解説|触媒分解が届く範囲とSV値

平成30年度 ダイオキシン類特論 問7は、煙道に触媒を置いて有害物質を壊す処理について、どこまで効くのか、どんな指標で運転を見るのか、何が性能を落とすのかを並べた記述の正誤を問う問題です。誤っているものを選びます。

この問題のポイント

触媒による分解は、相手の分子が触媒の表面に吸い付いてはじめて始まります。つまりこの処理の守備範囲は、分子が表面まで自力でたどり着けるかどうかで決まります。並んでいる記述は、同時処理の可否、守備範囲、形状の利点、運転指標、劣化の要因を順に扱っており、四つは素直な内容です。引っかけの核心は、固体の粒に抱き込まれた分まで触媒が壊せるかのように書かれた一文にあります。表面に触れられない分子は、どれだけ性能の高い触媒を並べても手が届きません。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(2)(誤っている記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
(1)○(正しい)どちらもガス状で触媒表面に吸着して反応するため、ひとつの触媒層に二役を持たせる構成が組めます。装置を分けずに済むぶん設置面積も抑えられます。
(2)×(誤り)粒子の内部に取り込まれた分子は触媒の表面に接触できません。粒子に付随する分は分解ではなく、粒子ごと捕集して取り除くのが本筋です。
(3)○(正しい)まっすぐな細い流路が並んだ形なので、ガスは向きを変えずに通り抜けられます。抵抗が小さく、粉じんが引っかかって積もる箇所も少なくなります。
(4)○(正しい)この指標は、処理するガスの量を触媒の量で割った値です。分母を据え置いて分子だけを増やせば、値は当然大きくなります。
(5)○(正しい)反応の場は細孔の内壁に広がる表面です。入口が塞がれれば奥の表面は使われなくなり、見かけの活性が落ちていきます。

選択肢(2)のポイント(ここが誤り)

触媒反応は、まず分子が表面に吸着するところから始まります。この一段目が成立しない相手には、触媒はまったく無力です。飛灰のような固体の粒に取り込まれた分子は、粒の内側に閉じ込められたまま触媒表面へ出てこられません。触媒層の中を粒ごと素通りするか、あるいは流路の壁に付着して積もるだけで、分解される道筋がないのです。したがって、粒子状の物質に含まれる分まで効率よく壊せるという記述は成り立ちません。

実際の設備では、この弱点を役割分担で埋めます。粒子は除じん装置で先に取り除き、触媒層にはガス状の分だけを相手にさせるという組み立てです。取り除いた飛灰は、加熱による分解や薬剤処理といった別の道筋で扱われます。なお、この問題のすぐ後には、ろ材そのものに触媒を仕込んで捕集と分解を一枚で兼ねる資材が登場します。あれは粉じんを表面で止めてしまい、通り抜けたガスだけを内部の触媒に当てる作りであり、粒子は通さず、ガスだけを通すという同じ考え方の延長線上にあります。守備範囲を正しく分けることが、触媒処理を設計する上での出発点になります。

覚え方

  • 触媒が相手にできるのは吸着できる分子だけ。粒子に抱き込まれた分は除じんで落とす
  • 空間速度は処理ガス量を触媒量で割った値。流量が増えれば大きくなり、接触の時間は短くなる。
  • ハニカムは抵抗が小さく詰まりにくい。粉じんを含むガス向けの形。
  • 触媒の劣化は表面が使えなくなること。細孔の閉塞、被毒、摩耗はどれも同じ結末に向かう。
  • 分解と除じんは別仕事。両方そろってはじめて排出が下がる。

理解度チェック

Q.

触媒量を変えずに排ガスの流量を増やすと、空間速度はどうなりますか。

大きくなります。処理ガス量を触媒量で割った値なので、分母が同じまま分子が増えれば値は上がり、そのぶん接触時間は短くなります。

Q.

飛灰に含まれる有害物質は、触媒でどう扱われますか。

触媒では分解できません。粒の内側にある分子は表面に吸着できないため、粒子ごと捕集して別の方法で処理する必要があります。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成30年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF