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平成30年度 公害防止管理者 大規模大気特論 問9を解説|ごみ焼却で発生する有害物質(ばいじんの主体は灰分)

平成30年度 大規模大気特論 問9は、ごみを燃やしたときに出てくる汚染物質の素性についての正誤問題です。誤っているものを選びます。

この問題のポイント

ごみ焼却で問題になる物質は、粒子として出るもの、硫黄から出るもの、塩素から出るもの、窒素から出るものに整理できます。四つの記述は、それぞれの物質がごみの中の何に由来するかを素直に述べたもので、対応関係も正しく組まれています。ずれているのは粒子の中身についての記述で、燃え残りの炭素という不完全燃焼の産物を、粒子全体の主成分にすり替えている点が引っかけです。ごみのうち燃えずに残るものは何かを思い出せば見抜けます。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(1)(誤っている記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
(1)×(誤り)ばいじんの大部分は未燃炭素ではなく、ごみに含まれる灰分(無機質)です。これが正解です。
(2)○(正しい)紙類やたんぱく質を含む厨芥類にも硫黄分があり、燃やせば硫黄酸化物が発生します。
(3)○(正しい)塩素系プラスチックが持つ塩素は、燃焼によって塩化水素の形で排ガスに出ます。
(4)○(正しい)サーマルNOxは、燃焼の高温雰囲気の中で窒素と酸素が反応して生じる窒素酸化物です。
(5)○(正しい)ごみそのものに含まれる窒素分が燃焼して生じる窒素酸化物がフューエルNOxです。

選択肢(1)のポイント(ここが誤り)

ごみは、燃える成分と燃えない成分の混ざりものです。紙・木・厨芥・プラスチックは炭素と水素が主体で、燃えれば二酸化炭素と水になって気体で出ていきます。一方、土砂・ガラス・陶磁器・金属、それに紙に混ぜられている填料のような無機質は燃えても残ります。この残りが灰分で、炉の底に落ちるものが主灰、細かくて排ガスに乗って飛んでいくものが飛灰です。煙道で捕らえられるばいじんの中身は、この灰分が大部分を占めます。

未燃炭素は、酸素が足りない、温度が低い、滞留時間が短いといった条件で燃え切らなかった炭素分です。「ばいじんの大部分は未燃炭素」という記述は、燃焼が不調なときだけ起こる現象を、焼却全般の姿として一般化しています。ごみ焼却では未燃分を残さないよう温度と空気の与え方を管理するのが基本なので、正常な運転で未燃炭素が粒子の主成分になることはありません。

この違いは処理の実務にもつながります。飛灰は無機質が主体で、そこに重金属や塩類が濃縮して付いてくるため、捕集した後の飛灰は薬剤処理などを施してから処分する対象になります。もし主成分が未燃炭素であれば、それは単に燃やし方の問題であって、灰の処理という論点そのものが立ちません。他の四つの記述、すなわち硫黄分から硫黄酸化物、塩素分から塩化水素、空気中の窒素からサーマルNOx、ごみ中の窒素分からフューエルNOxという対応は、いずれも元素の出どころを正しく押さえた内容です。

覚え方

  • ばいじんの主体は灰分(無機質)。未燃炭素は不完全燃焼の産物で、主役ではない。
  • 硫黄酸化物の出どころはプラスチックだけではない。紙類やたんぱく質系の厨芥にも硫黄分がある。
  • 塩化水素の出どころは塩素系プラスチック。塩素を持つものを燃やせば酸性ガスになる。
  • サーマルNOxは空気の窒素、フューエルNOxは燃料(ごみ)の窒素。名前の意味で区別する。
  • 燃えたら気体、燃えなければ灰。ごみの中身を「燃える/燃えない」で仕分けると発生物が読める。

理解度チェック

Q.

ごみ焼却で発生するばいじんの大部分は何か。

ごみに含まれる灰分(無機質)です。土砂やガラス、金属、紙の填料など燃えずに残る成分が微細な粒子となって排ガスに乗ります。未燃炭素も含まれますが、それは不完全燃焼のときに増えるもので、大部分を占めるわけではありません。

Q.

サーマルNOxとフューエルNOxは、それぞれ窒素がどこから来ているか。

サーマルNOxは燃焼用空気中の窒素で、高温の雰囲気の中で酸素と反応して生成します。フューエルNOxは燃料側、つまりごみに含まれる窒素分が燃焼して生成します。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成30年度 公害防止管理者等国家試験 大規模大気特論 問題・正解」(公式PDF