平成30年度 公害防止管理者 ばいじん・粉じん特論 問12を解説|石綿濃度の求め方
平成30年度 ばいじん・粉じん特論 問12は、顕微鏡で数えた繊維の本数から石綿濃度を求める計算問題です。
この問題のポイント
この問題は、見た面積と実際にろ過した面積の比で引き伸ばすという一手が要点です。分かれ目は数えた視野の合計面積を正しく出せるかで、視野1つ分の面積のまま計算すると桁が狂います。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)(10 本/L)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | × | 2.0 本/L。視野の数を掛け忘れるなど、面積の扱いを誤ると桁がずれます。 |
| (2) | ○ | 10 本/L。視野の合計面積からろ過面全体へ引き伸ばし、採気量で割った値と一致します。これが正解です。 |
| (3) | × | 20 本/L。引き伸ばしの倍率を取り違えると、この付近になります。 |
| (4) | × | 100 本/L。採気量で割る手順を落とすと大きく外れます。 |
| (5) | × | 200 本/L。面積比と採気量の両方を誤ると、この付近まで離れます。 |
計算の手順
| 手順 | 内容 | 値 |
|---|---|---|
| 手順1 見た面積 | 視野1つの面積に、数えた視野の数を掛けます。 | 0.05 cm² |
| 手順2 面積あたり | 数えた繊維の本数を手順1の面積で割ります。 | 2400 本/cm² |
| 手順3 ろ過面全体 | 手順2に有効ろ過面の面積を掛けて、ろ紙全体の繊維数に引き伸ばします。 | 24000 本 |
| 手順4 濃度 | 手順3を採気量で割ります。 | 10 本/L |
ここが分かれ目
石綿濃度の計算は、顕微鏡で見たのはろ紙のごく一部にすぎないという前提から出発します。そこで「見た面積あたり何本か」をいったん求め、それを有効ろ過面の面積まで引き伸ばしてろ紙全体で何本捕まえたかを出し、最後に吸った空気の量で割ります。手順を分けて書けば迷いませんが、まとめて一息に計算しようとすると取り違えます。
いちばん多い落とし穴は視野の数を掛け忘れることです。視野1つ分の面積で割ってしまうと、繊維の密度が実際の何十倍にも見積もられます。数えたのは「50視野の合計の中で120本」であって、「1視野に120本」ではありません。もう一つは最後に採気量で割る手順を落とすことで、これをやると本数のまま答えてしまい、単位が濃度になりません。答えの単位が本/Lであることを先に確認しておくと、割り忘れに気づけます。
覚え方
- 順番は見た面積あたり→ろ過面全体→採気量で割るの3段。まとめて計算しない。
- 見た面積=視野1つの面積×視野の数。視野の数を掛け忘れるのが最頻の誤り。
- 答えの単位から逆算する。本/Lなら最後は必ず空気の量で割る。
- 顕微鏡で見えているのはろ紙のごく一部。面積比で引き伸ばすのがこの計算の骨格。
理解度チェック
石綿濃度の計算で、数えた繊維の本数はまず何で割りますか。
視野1つの面積に数えた視野の数を掛けた合計面積で割ります。視野1つ分の面積で割ると、繊維の密度を何十倍にも見積もることになります。
ろ紙全体の繊維数を出したあと、濃度にするには何をしますか。
採気量で割ります。本数のままでは濃度になりません。答えの単位が本/Lであることを先に見ておくと、この割り算を落とさずに済みます。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「平成30年度 公害防止管理者等国家試験 ばいじん・粉じん特論 問題」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月