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平成30年度 公害防止管理者 ばいじん・粉じん特論 問11を解説|石綿繊維の計数方法(境界の繊維は1/2本)

平成30年度 ばいじん・粉じん特論 問11は、顕微鏡でとらえた石綿の繊維を何本と数えるかという判定の決まりについての正誤問題です。誤っているものを選びます。

この問題のポイント

石綿の測定は、捕集したろ紙を顕微鏡でのぞいて繊維を人の目で数える作業です。数える人によって結果が変わっては測定になりませんから、曲がっている・枝分かれしている・交差している・からまっているといった紛らわしい形について、JIS が数え方をあらかじめ定めています。この問題は、その決まりを一つずつ並べたうえで、視野の縁にかかった繊維をどう扱うかという一点だけを書き換えています。縁に半分だけ写っている繊維を丸ごと一本として数えてよいのか。数えすぎが起きないための工夫がここにあります。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(5)(誤っている記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
(1)○(正しい)曲がった繊維は、直線に見える部分を手掛かりに曲線に沿った本来の長さを見積もって判定します。
(2)○(正しい)枝分かれしていても元が一つなら、枝を含めた全体をまとめて1本と数えます。
(3)○(正しい)たまたま重なっているだけの繊維は別物なので、交差しているそれぞれを1本と数えます。
(4)○(正しい)からまって本数を読み取れない塊は、当て推量で数えず計数の対象から外します。
(5)×(誤り)境界にかかり片方の端だけが視野内にある繊維は、1本ではなく1/2本として数えます。これが正解です。

選択肢(5)のポイント(ここが誤り)

計数は、決められた形の視野をいくつも移動させながら行います。このとき必ず出てくるのが、視野の縁をまたいで一部だけが写っている繊維です。これを片方の端が入っていれば丸ごと1本として数えると、同じ繊維を隣の視野でもう一度拾ってしまったり、視野の外に本体がある繊維まで拾ってしまったりして、本数が実際より多く出ます。濃度は本数から計算されるため、数え方の癖はそのまま結果の偏りになります。

そこで、境界にかかって一方の端だけが視野内にある繊維は1/2本として扱い、両端とも視野の中に収まっている繊維を1本として数えます。半分だけ見えているものを半分として計上すれば、視野の境界で生じる過大評価がならされ、視野をどこに置いても平均的には正しい本数に近づきます。試験では「1本と数える」に書き換えて出されるのが定番で、境界の繊維をまるごと1本にしてしまう記述を見たら誤りと判断できます。

他の四つは、いずれも「実体として一つの繊維をどう捉えるか」という視点でそろっています。曲がっていても一本は一本なので、見かけの直線距離ではなく曲線に沿った長さで判断します。枝分かれは根元がつながっている以上ひとつづきの繊維なので全体で1本、逆に交差はもともと別々の繊維が重なっただけなのでそれぞれ1本です。そしてからまって判別できないものは、無理に数えれば誤差を持ち込むだけなので数えない、という判断になります。つながっているか別物かを見極めることが、この決まりの背骨だと理解しておくと迷いません。

覚え方

  • 視野の境界にかかり片端だけ見える繊維は1/2本両端が視野内にあるものだけが1本
  • 枝分かれは根元が一つだから全体で1本、交差は別々の繊維だからそれぞれ1本。
  • 曲がった繊維は見かけの直線距離ではなく、曲線に沿った長さで判断する。
  • 読み取れないものは数えない。分からないまま数える方が誤差を大きくする。

理解度チェック

Q.

計数視野の境界にかかり、片方の端だけが視野内にある繊維は何本と数えるか。

1/2本として数えます。丸ごと1本と数えると、境界の繊維を重複して拾い本数が過大になります。

Q.

枝分かれした繊維と、交差している繊維では数え方がどう違うか。

枝分かれは元が一つなので枝を含めた全体で1本、交差は別々の繊維が重なっているだけなのでそれぞれを1本と数えます。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成30年度 公害防止管理者等国家試験 ばいじん・粉じん特論 問題・正解」(公式PDF