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平成30年度 公害防止管理者 ばいじん・粉じん特論 問3を解説|遠心沈降速度の式の組立て

平成30年度 ばいじん・粉じん特論 問3は、遠心力集じんにおける遠心沈降速度の表現式として正しいものを選ぶ問題です。

この問題のポイント

この問題は式を丸暗記していなくても、重力沈降の式の重力加速度を遠心加速度に置き換えるという成り立ちを知っていれば組み立てられます。分かれ目は円周方向の速度と半径が、それぞれ何乗で効くかで、選択肢はここだけを入れ替えています。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(5)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
(1)×粒子の密度が2乗、円周方向速度が1乗になっています。密度は1乗、速度は2乗が正しい形です。
(2)×円周方向速度が1乗、半径が2乗になっています。どちらも次数が合いません。
(3)×粒子の密度が2乗、粒子径が1乗になっています。密度は1乗、粒子径は2乗が正しい形です。
(4)×分子は正しい形ですが、半径が2乗になっている点が誤りです。
(5)粒子の密度×粒子径の2乗×円周方向速度の2乗を、粘度の18倍と半径の積で割る形。これが正解です。

計算の手順

手順内容
手順1 出発点重力による沈降速度は、粒子の密度×粒子径の2乗×重力加速度を、粘度の18倍で割った形(ストークス則)。
手順2 置き換え遠心分離では、重力加速度の代わりに遠心加速度が働きます。
手順3 遠心加速度円運動の加速度は、円周方向速度の2乗を半径で割った形vの2乗÷R
手順4 差し替える手順1の重力加速度を手順3で置き換えます。選択肢(5)の形

ここが分かれ目

遠心沈降速度の式は、独立した公式ではなくストークス則の重力加速度を遠心加速度に差し替えただけです。したがって、粒子の密度が1乗、粒子径が2乗、粘度の18倍で割る、という骨格は重力沈降のときのまま変わりません。密度を2乗にしたり粒子径を1乗にした選択肢は、この骨格を崩しているので、遠心力の話に入る前の段階で除外できます。

残るのは遠心加速度の形です。円運動の加速度は円周方向速度の2乗を半径で割ったものなので、式の中では速度が2乗、半径が分母に1乗で現れます。半径を2乗にした選択肢は、半径が大きいほど遠心効果が急激に落ちるという誤った描像になります。サイクロンの本体を細くするほど分離が効くのは、この半径が分母に1乗で効くからです。

覚え方

  • 遠心沈降速度はストークス則の重力加速度を遠心加速度に差し替えただけ。新しい公式ではない。
  • 骨格は変わらない。密度は1乗、粒子径は2乗、粘度の18倍で割る。ここを崩した肢は即除外。
  • 遠心加速度は速度の2乗÷半径。速度が2乗、半径は分母に1乗。
  • サイクロンを細くすると効くのは半径が分母にあるから。細く・速くが分離を強める方向。

理解度チェック

Q.

遠心沈降速度の式は、どのように組み立てられていますか。

ストークス則の重力加速度を遠心加速度に置き換えたものです。粒子の密度が1乗、粒子径が2乗、粘度の18倍で割るという骨格は重力沈降と同じです。

Q.

遠心加速度は、円周方向の速度と半径でどう表されますか。

円周方向速度の2乗を半径で割った形です。式の中では速度が2乗、半径が分母に1乗で現れます。サイクロンを細く・速くするほど分離が効くのはこのためです。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成30年度 公害防止管理者等国家試験 ばいじん・粉じん特論 問題」(公式PDF