平成30年度 公害防止管理者 ばいじん・粉じん特論 問4を解説|電界荷電と拡散荷電の組合せ
平成30年度 ばいじん・粉じん特論 問4は、コロナ放電でつくられた一方の極性だけのイオンが、粒子まで運ばれて電気を与える仕組みに関する穴埋め・組合せ問題です。3か所の空欄に入る語句の正しい組合せを選びます。
この問題のポイント
電気集じん装置で粒子が帯電する経路には、電気の力で運ばれる道筋と、イオン自身の熱運動で運ばれる道筋の二つがあります。この問題は前者の名前と、その場合に帯電量が何に比例するか、どのくらいの粒子径から主役になるかをまとめて問うています。分かれ目は帯電量が比例する量を面で見るか体積で見るかで、ここを取り違えると粒子径の境目の値まで一緒にずれます。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)
各選択肢の正誤
| 空欄 | 語句 | 読み解き |
|---|---|---|
| ア | 電界荷電 | イオンが電気力線という決まった道筋に沿って粒子まで運ばれ、ぶつかって電気を渡す機構です。もう一方の候補である拡散荷電は、イオンの熱運動によるもので道筋が決まっていません。 |
| イ | 粒子表面積 | 電気力線に沿って運ばれる以上、粒子がどれだけ電気力線を受け止められるかで帯電量が決まります。効くのは粒子の広がり(面)であって、中身の詰まり具合(体積)ではありません。 |
| ウ | 2 | 電界荷電が支配的になるのは大きい粒子の側で、その境目としておよそ2 µmが入ります。これより細かい側では拡散荷電の寄与が無視できなくなります。 |
ここが分かれ目
二つの荷電機構は、イオンを粒子まで運ぶ力が何かで分かれます。電界荷電は電気の力が運び役なので、イオンは電気力線という筋道をたどります。粒子はこの筋道を横切る形で立ちはだかるため、受け止められるイオンの量は粒子の断面の広さ、つまり表面積で決まるという関係になります。したがって空欄イに入るのは粒子表面積です。
ここで粒子体積を選んでしまうと、粒子径の効き方が一段強く見積もられ、細かい粒子は帯電しにくいという実際の傾向とかみ合わなくなります。さらに、体積で考えたときの感覚のまま境目を選ぶと、支配的になる粒子径の境目まで一けた小さい側にずれます。イとウは連動して選ぶ組合せなので、片方の判断を誤るともう片方も引きずられる作りになっています。
細かい粒子の側では、電気の力ではなくイオン自身の熱運動が粒子にぶつかる経路が効いてきます。これが拡散荷電で、電気集じん装置で微細な粒子が捕まりにくい理由を説明するときの土台になります。
覚え方
- 運び役で名前が決まる。電気の力で運ぶ=電界荷電/熱運動で運ぶ=拡散荷電。
- 電界荷電は電気力線を受け止める話=効くのは面。帯電量は粒子表面積に比例。
- 電界荷電は大きい粒子、拡散荷電は小さい粒子。境目はおよそ2 µm。
- 組合せ問題は連動する空欄を探す。片方の考え方が決まれば残りは自動的に絞れる。
理解度チェック
電気力線に沿ってイオンが運ばれて粒子が帯電する機構を何というか。
電界荷電です。イオンの熱運動によって粒子にぶつかる拡散荷電と区別します。
電界荷電では、粒子の帯電量は何に比例するか。
粒子表面積に比例します。電気力線をどれだけ受け止められるかで決まるため、体積ではなく面の広さが効きます。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「平成30年度 公害防止管理者等国家試験 ばいじん・粉じん特論 問題」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月