平成30年度 公害防止管理者 ばいじん・粉じん特論 問2を解説|微粉炭燃焼ボイラーダストの主成分
平成30年度 ばいじん・粉じん特論 問2は、石炭を細かく砕いて燃やすボイラーから出るダストの性質に関する正誤問題です。誤っているものを選びます。
この問題のポイント
石炭灰由来のダストが、どんな物質からできていて、密度や粒子の形、電気の通しにくさがどうなるかをまとめて確認する問題です。引っかけの核心は主成分に何を挙げるかの一点で、選択肢は石灰系の原料を扱う工程で出るダストの成分にすり替えています。元をたどれば石炭に含まれていた鉱物質だ、と考えれば主成分は決まります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(1)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | 主成分として挙げるべきはシリカ(SiO2)とアルミナ(Al2O3)です。酸化カルシウムと酸化マグネシウムを主成分とするのは誤りです。 |
| (2) | ○(正しい) | 密度は2100 kg/m3程度で、鉱物質が溶けて固まった粒子としてつじつまの合う値です。正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | 酸化ナトリウムや未燃カーボンは電気を通しやすくする側の成分なので、これらが少ないほど見掛け電気抵抗率は高くなります。正しい記述です。 |
| (4) | ○(正しい) | 燃焼効率が高いボイラーほど未燃カーボンが残らないため、そのダストの見掛け電気抵抗率は高い側の領域に入ります。正しい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | 高温で溶けた灰分が表面張力で丸まって固まるため、およそ45 µm以下の細かい粒子はきれいな球状になります。正しい記述です。 |
選択肢(1)のポイント(ここが誤り)
微粉炭燃焼ボイラーのダストは、燃える成分ではなく石炭にもともと含まれていた鉱物質が高温で溶け、排ガスに乗って出てきたものです。石炭に混じっている鉱物質は粘土質のものが中心なので、そこから残る酸化物もけい素とアルミニウムのものが主役になります。つまり主成分はシリカ(SiO2)とアルミナ(Al2O3)です。
これに対して酸化カルシウムや酸化マグネシウムが主役になるダストは、石灰系の原料を高温で扱う工程など、出どころがまったく別の系統のものです。ここを取り違えると、ダストの性質を丸ごと別物として覚えてしまうことになります。成分の見立ては見掛け電気抵抗率の予想にも直結するので、燃料の種類とダストの出どころをセットで押さえておきます。
覚え方
- ダストの成分は「何が燃え残ったか」ではなく何が燃えずに元から混ざっていたかから考える。
- 石炭系ダスト=シリカ+アルミナ。カルシウム・マグネシウム系は石灰系原料を扱う工程のダスト。
- 電気を通しやすくする成分(アルカリ金属の酸化物・未燃カーボン)が減る=見掛け電気抵抗率は高い側へ動く。
- 溶融して丸まった粒子は球状。細かい粒子ほど球に近い形になる。
- 石炭灰系ダストの密度の目安は2100 kg/m3程度。水の2倍強と覚える。
理解度チェック
微粉炭燃焼ボイラーから出るダストの主成分は何か。
シリカ(SiO2)とアルミナ(Al2O3)です。石炭に含まれていた鉱物質が高温で溶けて残ったもので、酸化カルシウムや酸化マグネシウムが主成分ではありません。
未燃カーボンが少ないダストでは、見掛け電気抵抗率はどちらに動くか。
高くなる側に動きます。未燃カーボンや酸化ナトリウムは電気を通しやすくする成分なので、それらが減るほど電気は通りにくくなります。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「平成30年度 公害防止管理者等国家試験 ばいじん・粉じん特論 問題」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月