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セクションと名の付く語が、いくつも出てくるよね。
どれが区分装置に当たるの?
この記事の要点
エアセクションとは、電車線の隣接区間の端末をしかるべき長さでオーバーラップさせて形成された区分点のことです。絶縁物を挟むのではなく、重ねた区間の空気で分けます。
その上位にある区分装置は、隣接部分間を絶縁しながら、集電は連続して行える設備と定義されています。
絶縁物を挿し込む形で区分するのがセクションインシュレータで、こちらは別の語です。
区分装置の条件は「絶縁するが、集電は止めない」の2つが同時に成り立つことです。
だから区分けの見分けも、絶縁の仕方と集電の続き方で読みます。
上位の語から確認します。
JIS E 2001:2002 電車線路用語 5212(区分装置)
電車線の隣接部分間を絶縁はするが、集電は連続して行えるような、一連の電車線設備。
言い換えると、「電気は分けるが、パンタグラフは途切れずに走れる仕掛け」ということです。
定義に入っている条件は2つです。
片方だけでは区分装置になりません。電気を分けない接続だけの設備は、この定義から外れます。
どちらも区分点ですが、分ける手段が違います。
JIS E 2001:2002 電車線路用語 5213(エアセクション)
電車線の隣接区間の端末をしかるべき長さでオーバーラップさせて形成された区分点。
パンタグラフは両電車線下を短絡走行でき,絶縁は二つの電車線設備間の適切な間げき(隙)のエアギャップによって確保される。
後段が、絶縁の中身を書いています。分けているのは重なった区間のエアギャップです。令和元年度2級No.31の選択肢3「エアセクションは、電車線相互の離隔空間を絶縁に用いるものである」は、この一文と同じことを言っています。
JIS E 2001:2002 電車線路用語 5401(セクションインシュレータ)
連続している電車線に挿入された絶縁物によって構成された区分点で、連続した集電しゅう(摺)動が確保できるようなスライダ又はそれに類似の装置が付いたもの。
2つを並べます。
| 用語 | 分ける手段 | 集電の続け方 |
|---|---|---|
| エアセクション | 隣接区間の端末をオーバーラップさせる | 重なった区間をパンタグラフが渡る |
| セクションインシュレータ | 電車線に絶縁物を挿入する | スライダ又はそれに類似の装置で確保する |
例えば、駅間のように距離に余裕がある場所では、電車線を長く重ねて分けるやり方が使えます。
エアセクションは長さを使い、セクションインシュレータは部品を使います。これが分け方の違いです。
混同しやすい語
区分装置とエアセクション:区分装置は上位の呼び名で、エアセクションはその一つの形です。並列の関係ではありません。
エアセクションとセクションインシュレータ:どちらもJISでは「区分点」と書かれますが、前者はオーバーラップ、後者は挿入した絶縁物で構成されます。
電車線と電車線路:電車線は集電装置が接触する側の電線を含む設備の呼び名で、電車線路はそれを支える設備を含めた呼び方です。用語の階層が違います。
区分装置は、1級と2級を合わせて7年度に出ています。2級は名前を並べて選ばせる形、1級はセクションオーバを問う形です。引っかけは大きく3つです。
| 年度・級・問 | 問われ方 | 出題の中身 |
|---|---|---|
| 令和4年度 2級 第一次検定(後期)No.51 | 記述に該当する区分装置として適当なもの | 「直流、交流区間ともに広く採用され、パンタグラフ通過中に電流が中断せず、また高速運転に適するので、主に駅間に設けられる」=エアセクション ←① |
| 令和6年度 2級 第一次検定(後期)No.28 | 電気的に区分する装置として最も不適当なもの | エアセクション・FRPセクション・がいし形セクションと並べてエアジョイントを混ぜた ←② |
| 平成27年度 2級 学科(後期)No.43 | 文章に該当する区分装置として適当なもの | 令和4年度とほぼ同じ記述文=エアセクション(選択肢4はがいし形セクション) ←① |
| 平成30年度 2級 学科(前期)No.43 | 記述に該当する区分装置として適当なもの | 平成27年度と同じ記述文・同じ4肢=エアセクション ←① |
| 令和元年度 2級 学科(後期)No.31 | 区分装置に関する記述として不適当なもの | 設置場所・FRPセクション・エアセクション(離隔空間で絶縁)・がいし形セクション(懸垂がいし)を並べた ←③ |
| 令和3年度 1級 第一次検定 No.43 | セクション(区分装置)に関する記述として不適当なもの | セクションオーバが主題。「列車長以上のデッドセクションにおいても発生する」が誤り(選択肢4) |
| 令和8年度 2級 第一次検定(前期)No.49 | 記述に該当する区分装置として最も適当なもの | 「交流区間と直流区間を電気的に区分するため、区間の境界に設けられる装置」=デッドセクション(選択肢1) ←① |
「記述に該当する区分装置」の形は4年度あります。平成27年度・平成30年度・令和4年度は同じ論点で、答えはいずれもエアセクションです。ただし平成27年度と平成30年度の記述文が一致するのに対し、令和4年度は「電流が中断せず、また高速運転に適するので、」と読点と「また」が入ります。選択肢4も、平成27年度・平成30年度はがいし形セクション、令和4年度はデッドセクションに入れ替わっています。
令和8年度だけは記述文が別で、答えもデッドセクションです。「駅間」と書いてあればエアセクション、「交流区間と直流区間の境界」と書いてあればデッドセクションと読み分けます。
第二次検定では、令和3年度1級 問題3の用語記述の候補に「10.電車線の区分装置」が挙がっています。用語の中から4つ選び、技術的な内容を2つずつ書かせる形です。
令和4年度の記述にある「電流が中断せず」は、区分装置の定義にある集電は連続して行えると対応します。
令和6年度は、公表された正答からエアジョイントが電気的に区分する装置ではないと確定します。
説明文に「重ねる」「オーバーラップ」が出たらエアセクションです。
JIS E 2001:2002 電車線路用語 5211(電気的区分)・5214(ニュートラルセクション)
5211 電気的区分 電車線を区分するための設備。その隣接する区間は互いに,例えば,負荷開閉器などで電気的に絶縁することができる。
5214 ニュートラルセクション 電圧及び位相の異なる隣接区間が集電装置の通過によって互いに短絡されないようにした両端にき電区分点を備えた電車線の一区間。
令和8年度2級(前期)No.49は「交流区間と直流区間を電気的に区分するため、区間の境界に設けられる装置」という記述に対してデッドセクションを答えとしました。電圧の異なる区間を短絡させないという点は、5214のニュートラルセクションと同じ内容です。
区分装置の階層
規格は3段で並んでいます。
5211 電気的区分が電車線を区分する設備そのもの、5212 区分装置が「絶縁はするが集電は続く」設備、その下に5213 エアセクション・5214 ニュートラルセクション・5401 セクションインシュレータという個別の形が来ます。
肢に並ぶ名前がどの段のものかを分けると、上位語と個別の形を並列に置いた肢を見つけられます。
セクション系の肢は、次の順に見ます。
区分装置は、どういう設備と定義されているか?
電車線の隣接部分間を絶縁はするが、集電は連続して行えるような、一連の電車線設備です。絶縁と集電の連続が両方そろいます。
エアセクションは、どうやって区分点を作るか?
電車線の隣接区間の端末を、しかるべき長さでオーバーラップさせて形成します。
セクションインシュレータは何で構成されるか?
連続している電車線に挿入された絶縁物です。連続した集電しゅう動を確保するスライダ又はそれに類似の装置が付きます。
参考資料
※ この記事の規格・出題の確認日:2026年8月
まちがえやすいポイント
選択肢に並ぶ語のうち、JIS E 2001に定義があるのは区分装置・エアセクション・セクションインシュレータなどに限られます。
エアジョイント・FRPセクション・がいし形セクション・デッドセクションは、この規格に定義がありません。これらは公表された正答から判断するしかないので、条文で確かめようとして止まらないようにします。
ただし、デッドセクションが指しているものには、規格に別の名前が付いています。