令和7年度(後期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.44は、停電作業を行う場合の措置について、労働安全衛生法上、空欄ア・イに当てはまる語句の組合せとして適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、電源を切った後にも危険が残る理由を分かっているかを問うものです。電力ケーブルや電力コンデンサーは電気をためます。
設問文に「電力ケーブル、電力コンデンサー等を有する電路で」と書かれているのが決め手です。
正解:選択肢3(ア=残留電荷、イ=放電)
| 選択肢 | ア | イ | 解説 |
|---|---|---|---|
| 1 | 負荷 | 放電 | 負荷を放電させるという表現にならない |
| 2 | 負荷 | 開放 | 開路の話は前段で済んでいる |
| 3 | 残留電荷 | 放電 | 条文どおり |
| 4 | 残留電荷 | 開放 | アは合うが、電荷は「開放」しない |
適当なのは選択肢3です。
条文はそのまま出題されています。
労働安全衛生規則 第339条第1項第二号
開路した電路が電力ケーブル、電力コンデンサー等を有する電路で、残留電荷による危険を生ずるおそれのあるものについては、安全な方法により当該残留電荷を確実に放電させること。
残留電荷とは、電源を切った後もケーブルやコンデンサーに残っている電気のことです。
電力ケーブルは、導体と金属シースの間に絶縁体をはさんだ構造で、これはコンデンサーとまったく同じ形です。だから電気をためます。電力コンデンサーはそもそも電気をためる機器なので、なおさらです。
電源を切っただけでは、この電荷は行き場がありません。そこへ人が触れると感電します。高圧のケーブルなら、残留電荷だけで死亡事故になり得ます。
だから、安全な方法で確実に放電させてから作業に入ります。放電棒などを使い、たまった電気を大地へ逃がします。
語句の面から見ても、電荷は「放電」させるもので、「開放」するものではありません。選択肢4のように語句を混ぜた肢は、日本語として成立しないところで見分けられます。
同じ第339条には、停電作業の措置が3つ並んでいます。
第一号:開閉器に施錠する、通電禁止を表示する、または監視人を置く
第二号:残留電荷を確実に放電させる
第三号:高圧・特別高圧だったものは、検電器具で停電を確認し、短絡接地器具で確実に短絡接地する
3つとも「切ったつもり」で感電しないための備えです。第一号は誰かが入れ直すのを防ぎ、第二号は残った電気を抜き、第三号は誤通電や誘導で電気が来ても人に流れないようにします。
電力ケーブルに残留電荷が生じるのはなぜか。
導体と金属シースの間に絶縁体をはさんだ構造がコンデンサーと同じで、電気をためるためです。
高圧の電路で停電作業を行うとき、放電のほかに必要な措置は何か。
検電器具で停電を確認し、短絡接地器具を用いて確実に短絡接地することです。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月