令和5年度(前期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.42は、図に示す電気工事におけるパレート図について、品質管理に関する記述として最も不適当なものを選ぶ問題です。選択肢は5つあります。
この問題は、左の軸の目盛りを読めるかを問うものです。引っかけの核心は、右の軸のパーセントと左の軸の件数を取り違えさせる点にあります。
左の軸は50までしかありません。
※ 問題の図そのものは、建設業振興基金が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢2
図から読み取れる値は、次のとおりです。
| 項目 | 不良件数 | 累計不良率 |
|---|---|---|
| 配管等支持不良 | 25 | 50 % |
| 絶縁不良 | 10 | 70 % |
| 接地不良 | 7 | 84 % |
| 結線不良 | 3 | 90 % |
| 器具取付不良 | 2 | 94 % |
| 塗装不良 | 1 | 96 % |
| その他 | 2 | 100 % |
| 合計 | 50 | - |
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 適当 | 件数の多い順に並ぶので順位が分かりやすい |
| 2 | 不適当 | 合計は50件。100件ではない |
| 3 | 適当 | 25 ÷ 50 = 50 %で、たしかに約半数 |
| 4 | 適当 | いちばん多い項目を直すのが効果的 |
| 5 | 適当 | (7 + 3) ÷ 50 = 20 %で合う |
最も不適当なのは選択肢2です。
パレート図には軸が2つあります。この2つを混ぜると読み違えます。
左の軸 棒グラフの不良件数〔件〕。この図では最大50
右の軸 折れ線の累計不良率〔%〕。最大100
折れ線の右端が100に達するのは、全部足せば100%になるからです。件数が100件という意味ではありません。
選択肢2は、右の軸の100を件数と読んでしまった形です。棒を足せば50件と分かります。
累計不良率からも確かめられます。
いちばん多い配管等支持不良が25件で、累計不良率が50 %
↓
全体 = 25 ÷ 0.5 = 50件
選択肢5も同じ考え方で検算できます。
接地不良 7件 + 結線不良 3件 = 10件
10 ÷ 50 = 20 % → 選択肢5は正しい
累計不良率で見ても、接地不良までが84%、絶縁不良までが70%なので、その差の14%と結線不良の6%を足して20%になります。
パレート図を使う目的は、どこから手を付ければ効果が大きいかを決めることです。これを重点指向といいます。
この図から言えること
上位2項目(配管等支持・絶縁)で全体の70 %
↓
この2つを直せば、不良の大半が減る
下位の項目をいくら直しても、全体はあまり減りません。塗装不良は1件で、全体の2%しかありません。
この図で工事全体の不良件数はどう求めるか。
棒グラフの件数を全部足します。25+10+7+3+2+1+2で50件です。25件が累計50%であることからも確かめられます。
パレート図は何のために使うか。
どの項目から手を付ければ効果が大きいかを決めるためです。件数の多い順に並ぶので、上位の項目に絞って対策できます。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月