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令和5年度(後期)2級電気工事施工管理技士 No.8を解説、入口は高圧に

令和5年度(後期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.8は、汽力発電所の熱効率の向上対策として、最も不適当なものを選ぶ問題です。

この問題のポイント

この問題は、入口と出口で望ましい向きが逆になることをつかんでいるかを問うものです。引っかけの核心は、入口の圧力を低くしている点にあります

入口は高く、出口は低くします。

正解:選択肢3

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 適当 復水器の真空度を高める=タービン出口の圧力を下げる
2 適当 抽気した蒸気で給水を加熱する(再生サイクル
3 不適当 タービン入口の圧力は高くする
4 適当 途中の蒸気をボイラで再熱する(再熱サイクル

最も不適当なのは選択肢3です。

選択肢3のポイント(ここが答え)

タービンは、入口と出口の落差で仕事をします。落差が大きいほど多くの仕事を取り出せます。

取り出せる仕事を増やすには

 入口 → 圧力・温度を高くする
 出口 → 圧力を低くする(真空度を高くする)
    ↓
 落差が大きくなり、熱効率が上がる

選択肢3は入口を低くすると書いています。落差が縮むので、効率は下がります。

選択肢1の復水器は、出口側の話です。

復水器の役割

 タービンを出た蒸気を冷やして水に戻す
    ↓
 蒸気が体積を大きく減らすので真空になる
    ↓
 タービン出口の圧力が下がり、落差が広がる

真空度が下がると出口の圧力が上がってしまい、効率が落ちます。だから真空度は高く保ちます。

選択肢2と4は、サイクルそのものを工夫する方法です。

名称 やること 効果
再生サイクル 抽気した蒸気で給水を加熱 ボイラで温める分が減る
再熱サイクル 途中の蒸気をボイラで再加熱 低圧タービンでも高い温度で仕事ができる

2つを組み合わせたものを再熱再生サイクルといいます。大形の火力発電所で使われます。

再熱にはもう1つの狙いがあります。

再熱するもう1つの理由

 膨張が進むと蒸気の一部が水滴になる
    ↓
 水滴が高速のタービン翼を削る
    ↓
 途中で再加熱して水滴の発生を抑える

効率だけでなく機械を守る意味もあります

覚え方

  • タービンは入口を高く、出口を低く。落差が仕事になる
  • 復水器の真空度を高める=出口の圧力を下げる
  • 再生=給水を温める、再熱=途中で温め直す

理解度チェック

Q.

復水器の真空度を高くすると効率が上がるのはなぜか。

タービン出口の圧力が下がり、入口との落差が広がるからです。落差が大きいほど取り出せる仕事が増えます。

Q.

再熱サイクルには効率以外にどんな狙いがあるか。

蒸気の一部が水滴になってタービン翼を削るのを防ぐことです。途中で再加熱して水滴の発生を抑えます。

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参考資料

  • 一般財団法人 建設業振興基金「令和5年度 2級電気工事施工管理技術検定 第一次検定(後期)問題」「同 正答肢」
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