令和5年度(後期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.7は、空気遮断器と比較したガス遮断器に関する記述として、最も不適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、消弧に使う気体をどう扱うかで騒音が決まることに気づけるかを問うものです。引っかけの核心は、静かなほうを「騒音が大きい」と逆にしている点にあります。
ガスは容器の中で使い回します。
正解:選択肢3
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 適当 | 構造がまとまっていて耐震性に優れる |
| 2 | 適当 | SF6ガスは空気より消弧能力が高い |
| 3 | 不適当 | 密閉容器内で消弧するので騒音は小さい |
| 4 | 適当 | 小電流を切るときの異常電圧が小さい |
最も不適当なのは選択肢3です。
2つの遮断器は、アークを消すための気体の扱い方が違います。
| 遮断器 | 使う気体 | 気体の扱い |
|---|---|---|
| 空気遮断器 | 圧縮空気 | アークに吹き付けたあと大気へ排気する |
| ガス遮断器 | SF6ガス | 密閉容器の中で循環させる。外へ出さない |
空気遮断器は高圧の空気を大気へ噴き出すので、破裂音のような大きな音が出ます。
ガス遮断器は容器の中で完結するため、この排気音がありません。だから騒音が小さくなります。
騒音の差が生まれる理由
空気遮断器 → 圧縮空気を大気へ放出 → 大きな排気音
ガス遮断器 → ガスを密閉容器内で循環 → 音が外に出ない
SF6ガスが選ばれるのは、性質が優れているからです。
SF6ガスの性質
絶縁耐力が空気の2〜3倍
消弧能力が空気の100倍程度
不活性で燃えない、無色無臭
消弧能力が高いので、小さな容器で大きな電流を切れます。装置全体が小さくまとまり、これが耐震性にもつながります。
選択肢4の「小電流遮断時の異常電圧が小さい」も、ガス遮断器の長所です。
小電流を切るときの問題
消弧能力が強すぎると、電流が0になる前に無理やり切ってしまう(電流裁断)
↓
急な電流変化で高い異常電圧が出る
↓
ガス遮断器はこれが小さい
ただしSF6ガスには課題もあります。温室効果が二酸化炭素の数千倍あるため、大気へ放出しない管理が求められます。
空気遮断器の騒音が大きいのはなぜか。
圧縮空気をアークに吹き付けたあと大気へ排気するからです。その排気音が大きくなります。ガス遮断器は密閉容器内で循環させるのでこの音がありません。
SF6ガスの課題は何か。
温室効果が二酸化炭素の数千倍あることです。大気へ放出しないよう、回収や管理が求められます。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月