令和4年度(後期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.18は、単相2線式配電線路の電圧降下を表す簡略式を選ぶ問題です。
この問題は、係数が2か√3かとcosθとsinθのどちらがRに付くかを分かっているかを問うものです。単相2線式は2、抵抗には力率cosθが付きます。
4つの選択肢は、この2か所を入れ替えて作られています。
※ 問題の図そのものは、建設業振興基金が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢2(v=2I(Rcosθ+Xsinθ))
| 選択肢 | 式 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 2I(Rsinθ+Xcosθ) | 係数は合っているが、sinとcosが逆 |
| 2 | 2I(Rcosθ+Xsinθ) | 単相2線式の簡略式 |
| 3 | √3I(Rsinθ+Xcosθ) | 係数もsin・cosも違う |
| 4 | √3I(Rcosθ+Xsinθ) | 三相3線式の式。この問題は単相 |
正しいのは選択肢2です。
2か所を順に決めます。
まず係数です。単相2線式は、電源から負荷へ行く線と、負荷から電源へ戻る線の2本でできています。電流は2本とも同じだけ流れるので、電圧降下も2本ぶん足し合わせます。
問題文にRとXが「1線当たり」と書かれているのが手がかりです。1本ぶんの値なので、2倍する必要があります。
係数の対応
単相2線式 → 2
三相3線式 → √3
単相3線式(中性線を使う回路) → 1
次にsinとcosです。負荷の力率がcosθのとき、電流Iを電圧と同じ向きの成分と直角の成分に分けます。
電圧と同相の成分 = I cosθ
電圧と直角の成分 = I sinθ
抵抗Rによる電圧降下は電流と同相なので、電圧の向きに効くのは I cosθ の成分です。リアクタンスXによる電圧降下は電流より90度進んでいるので、電圧の向きに効くのは I sinθ の成分になります。
1線あたりの電圧降下 = I(R cosθ + X sinθ)
2線ぶんなので
v = 2 I(R cosθ + X sinθ) 〔V〕
この式が簡略式と呼ばれるのは、送電端と受電端の電圧の位相差を無視しているからです。正確には両端の電圧をベクトルで引き算しますが、位相差が小さい配電線路ではこの近似で足ります。
間違いやすいのは、Rにsinθを付けてしまうことです。選択肢1と3がその形です。抵抗は電流と同じ向きに電圧を落とす、と押さえておけば取り違えません。
選択肢4は三相3線式の式です。問題文が単相か三相かを先に読むと、この2つは切り分けられます。
単相2線式の電圧降下の係数が2になるのはなぜか。
行きの線と帰りの線の2本に同じ電流が流れ、両方で電圧が下がるからです。RとXが1線当たりの値なので2倍します。
なぜRにcosθが付くのか。
抵抗による電圧降下は電流と同相だからです。電圧の向きに効くのは電流の同相成分 I cosθ になります。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月