令和4年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.66は、工程管理に関する記述として、最も不適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、間接工事費が何に付いてくる費用かを分かっているかを問うものです。現場事務所や仮設のように、工期の長さで決まる費用です。
工期が延びれば、その分だけ高くなります。
正解:選択肢4(施工速度を遅くするほど安くなるとした記述)
| 選択肢 | 内容 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 採算速度=損益分岐点の施工出来高以上をあげるときの施工速度 | 適当 |
| 2 | 工程を速くすると品質は低下しがち。良い品質を望めば原価は高い | 適当 |
| 3 | 変動原価は出来高に比例して大きくなる | 適当 |
| 4 | 間接工事費は施工速度を遅くするほど安くなる | 不適当。遅くするほど高くなる |
最も不適当なのは選択肢4です。
引っかけの核心は、直接工事費と間接工事費で、速度に対する動き方が逆向きになるところです。片方を覚えていると、もう片方でつまずきます。
| 費用 | 中身 | 施工速度を速くすると |
|---|---|---|
| 直接工事費 | 材料費・労務費 | 残業や応援を入れるので高くなる |
| 間接工事費 | 現場事務所・仮設・借地代 | 工期が短くなるので安くなる |
間接工事費は現場を開けている間ずっとかかる費用です。現場事務所の家賃も、仮設のリース代も、借地代も、日数で計算します。だから工期が延びれば増え、縮めば減ります。
施工速度を遅くするというのは工期が延びるということなので、間接工事費は高くなります。選択肢4はここを逆にしています。
この論点は同じ文のまま何度も出ています。平成27年度 No.73と令和6年度 No.63では「間接工事費は、一般に施工速度を遅くするほど高くなる」が正しい肢として置かれ、令和4年度のこの問題では語尾だけを「安くなる」に変えて誤り肢にしています。
平成30年度 No.73では書き方を変えて「間接工事費は、完成が早まれば高くなる」とし、これが誤り肢でした。完成が早まる=工期が短いので、間接工事費は安くなります。
選択肢1の採算速度は、損益分岐点をこえる出来高をあげられる速度です。これより遅いと赤字になります。速度を上げすぎると総費用が増えるので、総費用が最小になる速度を経済速度と呼び、別の年度ではそちらが問われています。
選択肢3の変動原価は、出来高が増えれば増える費用です。材料費がその代表になります。出来高がゼロでもかかるのが固定費で、この2つの分かれ方が損益分岐点の考え方につながります。
施工速度を遅くすると、間接工事費はどうなるか。
高くなります。現場事務所や仮設のように日数で決まる費用なので、工期が延びればその分だけ増えます。
採算速度とはどんな速度か。
損益分岐点の施工出来高以上の施工出来高をあげるときの施工速度です。これより遅いと赤字になります。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月