平成30年度 地質調査技士 現場技術・管理部門 No.61を解説、反射法探査
平成30年度 地質調査技士資格検定試験 現場技術・管理部門 No.61は、反射法探査(反射法地震探査)に関する問題です。この問題では、4つの記述のうち最も不適当なものを1つ選びます。
この問題のポイント
反射法探査は、地表で発生させた弾性波が地下の境界面で反射して戻ってくるのをとらえ、地下の構造を調べる物理探査です。この問題は、利用する波・使いどころ・反射の強さ・分解能についての記述を並べ、誤りを1つ選ばせます。
引っかけの核心は分解能の記述です。同じ周波数なら、S波はP波より分解能が高いのに、選択肢4は「低い」としています。
※ 問題文そのものは、一般社団法人 全国地質調査業協会連合会(全地連)が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢4(最も不適当な記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 記述の要旨 | 正誤 |
|---|---|---|
| 1 | P波あるいはS波を利用する | ○ |
| 2 | 平野部に伏在する活断層の調査に利用される | ○ |
| 3 | 音響インピーダンス(弾性波速度×密度)の比が大きい境界面ほど反射波の振幅は大きい | ○ |
| 4 | 同じ周波数では、S波はP波より分解能が低い | ×(誤り) 正答。S波の方が分解能は高い |
選択肢1・2・3は、反射法探査の性質を正しく述べています。選択肢4だけが、S波とP波の分解能を逆にしています。
選択肢4のポイント(ここが誤り)
波長は「速度÷周波数」で決まります。同じ周波数で比べると、速度の遅いS波のほうが速度の速いP波より波長が短くなります。
反射法の分解能(どれだけ薄い層まで見分けられるか)は、波長が短いほど高くなります。
したがって、同じ周波数ならS波はP波より波長が短く、分解能は高いのが正しい記述です。
選択肢4は「S波はP波より分解能が低い」としており、これが誤りです。
「速度が遅い=波長が短い=分解能が高い」の連鎖で、S波の分解能はP波より高いと押さえます。選択肢4は反射法探査の記述として最も不適当です。
覚え方
- 同じ周波数なら、遅いS波は波長が短く、P波より分解能が高い
- 波長=速度÷周波数(速度が遅いほど波長が短い)
- 音響インピーダンス(速度×密度)の比が大きい境界ほど反射波は強い(選択肢3は正しい)
理解度チェック
問題:反射法探査で、同じ周波数ではS波はP波より分解能が低い。
〇か×か。
答えを見る
答え:×
同じ周波数なら、遅いS波のほうが波長が短く、分解能は高くなります。「低い」は逆です。
問題:音響インピーダンス(弾性波速度×密度)の比が大きい境界面ほど、反射波の振幅は大きい。
〇か×か。
答えを見る
答え:〇
境界の上下で音響インピーダンスの差(比)が大きいほど、強く反射します(選択肢3は正しい)。
出典・参考資料
- 一般社団法人 全国地質調査業協会連合会(全地連)「平成30年度 地質調査技士資格検定試験 現場技術・管理部門 試験問題」
- 物理探査学会「物理探査ハンドブック」ほか(反射法探査の原理/波長=速度÷周波数と分解能の関係/音響インピーダンスと反射)
※ 探査手法の詳細は、最新の一次資料で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年7月