ゼロから学ぶ土木施工管理|資格のT

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トンネルの山岳工法とは?支保工の順序と、直角に保つ2つ

けんせつる

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鋼アーチって、吹付けの前?後?

ロックボルトはどの向きに打つの?

この記事の要点

支保工は、岩石や土砂の崩壊を防止し、作業の安全を確保するために設けます。

  • ★順序=掘削 → ずり出し → 一次吹付け鋼アーチ式支保工二次吹付けロックボルト
  • 鋼アーチ式支保工は一次吹付けの「後」に建て込む。前ではありません。
  • 吹付けノズルは吹付け面に直角に保つ。斜めだと跳ね返りが増える
  • ロックボルトも掘削面に直角に設けるのが原則。

誤り肢は「支保工を吹付け前に建て込む」「ノズルを斜めに」「ロックボルトを斜めに」。向きと順序を逆にしてきます。

まず、一巡の順序から押さえます。

山岳工法の一巡の順序

山岳工法の一巡(模式図) 掘削 ずり出し 一次吹付け コンクリート ★鋼アーチ式 支保工の建込み 二次吹付け コンクリート ロック ボルト ★支保工は一次吹付けの「後」。前ではない 二次吹付けで支保工ごと巻き込み、一体化させる
山岳工法の一巡(模式図)。

なぜこの順序なのかを追うと、覚え直す必要がなくなります。

  1. 一次吹付けコンクリートで、掘削面の凹凸をまずならして早期に地山を支える。
  2. その平らな面に鋼アーチ式支保工を据える
  3. 二次吹付けコンクリート支保工ごと巻き込み、一体化させる。

「鋼アーチ式支保工は、一次吹付けコンクリート施工前に建て込む」は誤りです。凹凸だらけの掘削面にいきなり支保工を据えても、うまく密着しません。

鋼アーチ式支保工は「早く、一体で」

鋼製支保工については、2点が問われます。

  • 一般に地山条件が悪い場合に用いられ、一次吹付けコンクリート施工後すみやかに建て込む。悪い地山では早く支えを入れる必要があるためです。
  • 十分な支保効果を確保するため、吹付けコンクリートと一体化させる。別々に動くと支える力になりません。

吹付けコンクリートはノズルを直角に、面は平滑に

吹付けコンクリートは、圧縮空気で材料を吹付け面に打ちつけて締め固めます。要点は2つです。

①ノズルを吹付け面に直角に保つ。面に直角に当てるほど材料は真っすぐ押し付けられ、跳ね返り(リバウンド)が少なく密に締まります「斜め方向に保つ」は誤りです。斜めから当てると跳ね返りが増え、付着も悪くなります。あわせて、ノズルと吹付け面との距離衝突速度が適正になるようにします。

②吹付け面をできるだけ平滑に仕上げる。地山の凹凸をなくすように吹き付け、地山に密着させて応力を一様に伝えます。凹凸を残すと局部的に応力が集中し、後の工程で防水シートの破損や覆工コンクリートのひび割れを招きます。

ロックボルトも直角

ロックボルトは、緩んだ岩盤を緩んでいない地山に固定し、落下を防止します。奥の健全な地山につなぎ止める吊下げ効果補強効果によるものです。

★打設の向きは、掘削面(地山表面)に対して直角に設けるのが原則です。「斜めに設ける」は誤りです。

吹付けノズルもロックボルトも直角。この単元では「直角」が2回出ると覚えておくと、向きの引っかけを外しません。

覆工コンクリート

工程 要点
運搬 練り混ぜ後、所定の時間内に打ち込めるように運搬する
打込み 地山の変位が収束した後に行う
養生 湿潤状態を保ち、適切な温度で行う
型枠の取外し 必要な強度に達した後に行う

「養生は、できるだけ低温、低湿度を保ち」は逆で誤りです。養生の基本は水分を逃がさないことと適切な温度を保つことです。低湿度で乾燥させると乾燥収縮でひび割れが生じ、低温すぎると強度の発現が遅れます。

混同しやすい用語

一次吹付け と 鋼アーチ式支保工の建込み

順序が問われます。一次吹付けコンクリートが先鋼アーチ式支保工の建込みが後です。掘削面の凹凸を一次吹付けでならしてから支保工を据え、二次吹付けで支保工ごと巻き込んで一体化させます。「一次吹付け施工前に建て込む」は順序が逆です。

吹付けノズルの向き と ロックボルトの向き

どちらも直角です。吹付けノズルは吹付け面に直角に保つと跳ね返り(リバウンド)が少なく密に締まります。ロックボルトも掘削面に直角に設けるのが原則です。片方だけ「斜め」に変えた肢が出ますが、どちらも直角と覚えておけば見抜けます。

過去問でどう問われたか

山岳工法の支保工は1級・2級とも繰り返し出ます。引っかけは3型です。

  • 順序を逆にする……「鋼アーチ式支保工は一次吹付け前に建て込む」。
  • 向きを斜めにする……吹付けノズル、ロックボルト。
  • 養生を逆にする……覆工コンクリートを「低温、低湿度」で。
出題年度・級(問番)問われ方/引っかけ
令和5年度 2級前期(No.24)「鋼アーチ式支保工は一次吹付け施工前に建て込む」→ 誤り。後 ←①(正答4)
令和7年度 2級(No.29)吹付けの凹凸、支保工の順序、ロックボルトを斜め→ 3つとも逆。支保工の目的だけが適当 ←①②(正答4)
令和5年度 1級(No.35)吹付けノズルを「斜め方向に保ち」→ 誤り。直角 ←②(正答2)
令和6年度 2級前期(No.29)覆工の養生を「低温、低湿度を保ち」→ 誤り。湿潤状態・適切な温度 ←③(正答3)

管理人からのコメント

この単元は順序を1本の線で覚えるのが早道です。掘って、出して、吹いて、支保工を入れて、また吹いて、ボルトを打つ。支保工が吹付けに挟まれている形が頭に入れば、「吹付け前に建て込む」に違和感が出ます。

向きのほうは、どちらも直角とだけ覚えてください。吹付けは真っすぐ当てないと跳ね返る、ボルトは真っすぐ入れないと引っ張れない。理屈も同じ方向を向いています。

理解度チェック

問題:鋼アーチ式支保工は、一次吹付けコンクリートの前と後、どちらで建て込むか。

です。順序は掘削 → ずり出し → 一次吹付け → 鋼アーチ式支保工の建込み → 二次吹付け → ロックボルト打設。一次吹付けで掘削面の凹凸をならしてから支保工を据え、二次吹付けで支保工ごと巻き込んで一体化させます。地山条件が悪い場合は、一次吹付け後すみやかに建て込みます。(令和5年度2級前期 No.24)

問題:吹付けノズルは、吹付け面に対してどの向きに保つか。

直角に保ちます。直角に当てるほど材料が真っすぐ押し付けられ、跳ね返り(リバウンド)が少なく密に締まります。斜めだと跳ね返りが増え、付着も悪くなります。ノズルと吹付け面との距離衝突速度も適正にします。(令和5年度1級 No.35)

問題:ロックボルトの効果と、打設する向きは。

緩んだ岩盤を緩んでいない地山に固定し、落下を防止します(吊下げ効果・補強効果)。向きは掘削面に対して直角に設けるのが原則で、「斜めに設ける」は誤りです。吹付けノズルも直角で、この単元では直角が2回出ます。(令和7年度2級 No.29)

まとめ

  • 支保工の目的=岩石や土砂の崩壊を防止し、作業の安全を確保する。
  • ★順序=掘削 → ずり出し → 一次吹付け鋼アーチ式支保工二次吹付けロックボルト
  • 鋼アーチ式支保工は一次吹付けの後。地山条件が悪い場合はすみやかに建て込み、吹付けコンクリートと一体化させる。
  • 吹付けノズルは吹付け面に直角。斜めだと跳ね返り(リバウンド)が増え付着も悪い。
  • 吹付け面はできるだけ平滑に。凹凸を残すと応力が集中し、防水シートの破損や覆工のひび割れを招く。
  • ロックボルトも掘削面に直角吊下げ効果・補強効果で緩んだ岩盤を健全な地山に固定する。
  • 覆工コンクリート=打込みは地山の変位が収束した後、養生は湿潤状態・適切な温度、型枠は必要な強度に達した後に外す。

掘削の進め方はトンネルの掘削方式、施工中の管理はトンネルの観察・計測で確認できます。

参考資料

  • 土木学会「トンネル標準示方書 山岳工法編・同解説」
  • 一般財団法人 全国建設研修センター 公表の第一次検定 問題・正答
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土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

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