けんせつる
さや管工法って、樹脂を膨らませる工法?
更生工法の名前が紛らわしい…
この記事の要点
更生工法は、既設の管きょを活かして内側に新しい管を構築する工法です。
反転工法・形成工法・製管工法・さや管工法があります。各工法の違いと過去問での問われ方も押さえます。
古くなった下水道の管を、掘り返さずに内側から直す工事を更生工法といいます。工法ごとのしくみが入れ替えで問われます。
更生工法は、既設の管きょを活かして内側に新しい管を構築する工法で、反転工法・形成工法・製管工法・さや管工法があります。
更生工法は、老朽化した既設の管きょを掘り返さずに、内側から新しい管を構築して機能を回復させる工法です。新しく管を通す推進工法とは違い、すでにある管を活かして改築する点が特徴です。
反転工法は、熱硬化性樹脂を含浸させた材料を、既設のマンホールから既設管きょ内へ反転加圧しながら挿入し、加圧した状態のまま樹脂を硬化させて管を構築する工法です。
形成工法は、樹脂のライナーを既設管きょ内へ引き込み、水圧や空気圧などで拡張して既設管に密着させたあと、硬化させて管を構築する工法です。反転工法と同じく硬化性樹脂を使いますが、反転加圧で挿入するのが反転工法、引き込んで拡張・密着させるのが形成工法という違いがあります。
製管工法は、既設管きょの内側で、硬質塩化ビニル材などをかん合させながら管をつくり、既設管との間げきにモルタルなどを充填して管を構築する工法です。帯状の材料をらせん状に巻きながらつなげていくので、大きな材料を運び込む必要がありません。マンホールから入る幅さえあれば施工でき、管径が大きい場合にも対応できます。
さや管工法は、既設管きょより小さな管径で製作した管きょをけん引して挿入し、既設管との間げきに充填材を注入して管を構築する工法です。
名前が似ていて混ざりますが、新しい管がいつ・どこで形になるかを見ると区別できます。
| 工法 | 入れるもの | 管になるのは |
|---|---|---|
| 反転工法 | 樹脂を含ませた柔らかい材料 | 管の中(入れてから硬化) |
| 形成工法 | 樹脂のライナー | |
| 製管工法 | 帯状の材料 | 管の中(かん合させて組み立てる) |
| さや管工法 | できあがった管 | 工場(完成品を入れるだけ) |
さや管工法だけが、すでに管になっているものを入れます。だから既設管より小さい径でなければ入りません。他の3つは、柔らかいものや細いものを入れてから、中で管の形にします。既設管の内側いっぱいまで使えるので、断面の減りを抑えられます。
反転工法と形成工法の違いは、入れ方だけです。裏返しながら押し込むのが反転、引き込んでから膨らませるのが形成。どちらも最後は樹脂を硬化させます。「反転工法は引き込んで拡張する」と入れ替えた肢が定番なので、名前が動作を言っていると押さえてください。
更生工法が使われるのは、下水道管が道路の下に埋まっているからです。掘り返して新しい管に替えれば確実ですが、その間道路を止め、交通を迂回させ、掘って埋め戻す費用がかかります。都市部ではこの負担が大きすぎます。
そこで、既設管を型枠のように使って、内側に新しい管を作ります。マンホールから材料を入れられるので、地表を掘る必要がありません。古い管は捨てずに残り、外側の土圧を受け持ちます。
新しく管を通す推進工法との違いも、ここにあります。推進工法は新しい経路に管を通す工法、更生工法はすでにある管を直す工法です。どちらも掘り返さない非開削ですが、既設管を使うか、新しく通すかで目的が違います。
混同しやすい用語
反転工法 と さや管工法
どちらも更生工法ですが、新しい管のつくり方が違います。反転工法は、樹脂を含浸させた材料を既設管内で反転加圧し、その場で硬化させて管をつくります。さや管工法は、既設管より小さい新しい管を挿入し、すき間に充填材を入れて管をつくります。その場で樹脂を硬化させるのが反転工法、小さい新管を入れるのがさや管工法、と整理できます。
更生工法は、1級で各工法のしくみを入れ替えた記述(すり替え)を見抜けるかが正誤判定で問われます。
| 年度・級(No.) | 問われ方 | 引っかけ(正誤の分かれ目) |
|---|---|---|
| 令和7年・1級(No.52) | 更生工法の定義 | さや管工法は二次製品を牽引挿入し間げきに充填材()。形成・製管・反転の説明と入れ替えるのが誤り |
| 令和6年・1級(No.47) | 更生工法の定義 | 反転工法は硬化性樹脂含浸材をマンホールから反転加圧して挿入・硬化()。他工法の説明への入れ替えが誤り |
| 平成28年・1級(No.47) | 更生工法の定義 | さや管工法を「樹脂ライナーを拡張・密着させて硬化」は誤り(それは形成工法) |
年度をまたいで狙われるのは工法のしくみのすり替えです。さや管工法は小さい新管を挿入してすき間に充填材、形成工法は樹脂ライナーを拡張・硬化で、この2つの取り違えが代表的な誤りです。反転工法(反転加圧)と製管工法(かん合)の説明の入れ替えもくり返し問われます。
問題:反転工法は、熱硬化性樹脂を含浸させた材料を既設管きょ内へ反転加圧しながら挿入し、加圧状態のまま硬化させて管を構築する。
〇か×か。
答え:〇
反転工法は樹脂含浸材を反転加圧で挿入し、その場で硬化させて管を構築します。
問題:さや管工法は、樹脂ライナーを既設管内で拡張・密着させて硬化させる工法である。
〇か×か。
答え:×
それは形成工法です。さや管工法は、既設管より小さい新管を挿入し間げきに充填材を注入します。
問題:製管工法は、既設管きょの内側で材料をかん合させながら管をつくり、間げきに充填する工法である。
〇か×か。
答え:〇
製管工法は既設管内で材料をかん合して製管し、既設管との間げきにモルタルなどを充填します。
問題:さや管工法は、既設管きょより小さな管径の管を牽引挿入し、間げきに充填材を注入する工法である。
〇か×か。
答え:〇
さや管工法は小さい新管を牽引挿入し、間げきに充填材を注入します。樹脂ライナーを拡張・硬化させるのは形成工法です。令和7年度の1級でも、この定義が問われました。
更生工法は、既設の管きょを活かして内側に新しい管を構築する工法で、反転工法・形成工法・製管工法・さや管工法があります。さや管工法は既設管より小さい新管を挿入して間げきに充填、形成工法は樹脂ライナーを拡張・硬化させます。
過去問では、各工法のしくみを入れ替えたすり替え、とくにさや管工法と形成工法の取り違えが問われます。
掘らずに新しく管を通す推進工法との違いもあわせて押さえると、下水道の管の工事がつながります。直すのが更生、通すのが推進です。どちらも道路を掘り返さない非開削ですが、既設管を使うかどうかで目的が分かれます。
参考資料
※ 更生工法は標準的な内容です。基準の改定や現場条件で変わるため、最新の資料で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年6月
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