ゼロから学ぶ土木施工管理|資格のT

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直接基礎とは?せん断面が床付け面の直下にできる理由と、地盤別の底面処理

けんせつる

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床付け面を乱すなって、何がまずいの?

岩盤の上は、平らに仕上げないの?

この記事の要点

直接基礎とは、支持地盤が地表から浅い箇所に得られる場合に、基礎の底面で直接地盤に荷重を伝える基礎のことです。

  • 滑動時のせん断面は床付け面の直下(浅い箇所)にできる。だから床付け面付近の地盤を乱さない
  • フーチング底面を支持地盤に密着させ、地盤に応じた処理で滑動抵抗を確保する。
  • 鉛直荷重は基礎底面地盤の鉛直地盤反力のみ(フーチング周面の摩擦抵抗はあまり期待できない)。

「せん断面は床付け面の深い箇所に生じる」は誤りです。浅いからこそ、乱してはいけません。

まず、どこで支えているのかを押さえます。

直接基礎とは何か

直接基礎は、支持地盤が地表から浅い箇所に得られる場合に用います。深い場合に杭を使う杭基礎と違い、基礎の底面(フーチングの底)で直接地盤に重さを伝えます。

荷重の支え方には特徴があります。フーチング周面の摩擦抵抗はあまり期待できないので、鉛直荷重は基礎底面地盤の鉛直地盤反力のみで抵抗させます。横から支えてもらう構造ではありません。

そして水平力に対しては、フーチング底面と支持地盤とのかみ合いで滑動に抵抗します。この「かみ合い」が、以降の話の中心です。

直接基礎とせん断面(模式図) 支持地盤 構造物 フーチング(基礎) 床付け面 せん断面は床付け面の直下(浅い) だからここを乱すと滑動抵抗が出ない 水平力
直接基礎とせん断面(模式図)。形状・比率は実物どおりではありません。

なぜ床付け面を乱してはいけないのか

ここが令和6年度1級の誤り肢になったところです。「基礎が滑動する際のせん断面が床付け面の深い箇所に生じる」と書かれていました。正しくは浅い箇所、つまり床付け面の直下です。

直接基礎の滑動抵抗は、フーチング底面と支持地盤とのかみ合いで得られます。基礎が水平力で滑ろうとすると、壊れる面(せん断面)は床付け面のすぐ下にできます。深いところではありません。

だから施工時に床付け面付近の地盤を乱さないことが基本になります。掘りすぎたり、機械で踏み荒らしたり、水を含ませて軟らかくしたりすると、いちばん効いてほしい層が弱くなります。せん断面が浅いところにできるからこそ、その浅いところを守る。この因果がそのまま出題されています。

地盤別の底面処理

フーチング底面は支持地盤に密着させ、滑動抵抗を十分に期待できるように地盤に応じた処理を行います。地盤が違えば処理も変わります。

地盤 底面の処理 ねらい
砂・砂礫地盤 基礎底面を整地し、均しコンクリートなどで密着させる すき間なく接して、重さを確実に地盤へ伝える
岩盤 基礎底面に突起をつけたり凹凸(不陸)を残したりして、岩盤とかみ合わせる すべりに対するせん断抵抗を高める

岩盤で平らに仕上げないのが要点です。つるつるに均すと、かみ合いがなくなって滑りやすくなります。砂礫は密着、岩盤はかみ合わせ。目的はどちらも「滑らせない」で同じですが、手段が逆に見えるところが引っかかりやすい箇所です。

支持層の条件と地盤調査

直接基礎の支持層には条件があります。

  • 砂層・砂礫層……十分な強度があること。
  • 粘性土層……圧密のおそれのない良質な層であること。

粘性土だけ条件が違うのは、時間をかけて沈む圧密が起きるからです。強度があっても、あとから沈む層では直接基礎は成立しません。

調査の方法も問われます。地質・地層の状況や地下水の有無はボーリング調査で調べます。「載荷試験で調査する」は誤りです。載荷試験は地盤の支持力を調べる試験で、目的が違います。

施工管理での確認ポイント

  • 床付け面を乱さない:掘りすぎない、機械で踏み荒らさない、雨水をためない。最後の数十cmは慎重に。
  • 地盤に応じた処理を確認する:砂礫なら密着(均しコンクリート)、岩盤なら突起・不陸。図面どおりか。
  • 岩盤を平滑に仕上げていないか確認する:きれいに均してしまうと滑動抵抗が落ちる。
  • 支持層を確認する:粘性土層なら圧密のおそれがないか。ボーリング調査の結果と現場が合っているか。
  • 調査方法を取り違えない:地質・地下水はボーリング、支持力は載荷試験。

混同しやすい用語

せん断面が浅い と 深い

直接基礎が滑動するときのせん断面は床付け面の直下(浅い箇所)にできます。「深い箇所に生じる」は誤りです。浅いところにできるからこそ、施工時に床付け面付近の地盤を乱さないことが基本になります。理由と対策がつながっているので、片方を覚えればもう片方も出てきます。

ボーリング調査 と 載荷試験

調べる対象が違います。ボーリング調査地質・地層の状況や地下水の有無を調べます。載荷試験地盤の支持力(どれだけの重さを支えられるか)を調べます。「地質・地層や地下水の有無を載荷試験で調査する」は誤りです。

過去問でどう問われたか

直接基礎は1級の道路橋の基礎形式、2級の基礎地盤及び基礎工で出ます。引っかけは2型です。

  • せん断面の深さの反転……「床付け面の深い箇所に生じる」。
  • 調査方法のすり替え……地質・地層・地下水を「載荷試験で調査する」。
出題年度・級(問番)問われ方/引っかけ
令和6年度 1級(No.17)「せん断面が床付け面の深い箇所に生じる」→ 誤り。直下(浅い箇所)。フーチング底面を密着させ滑動抵抗を確保するのは正しい肢 ←①(正答4)
令和7年度 1級(No.17)直接基礎の支持層は、砂層・砂礫層で十分な強度、粘性土層で圧密のおそれのない良質な層が正しい肢(正答2は摩擦杭)
令和5年度 1級(No.12)直接基礎はフーチング周面の摩擦抵抗はあまり期待できないので鉛直地盤反力のみ、が正しい肢(正答2は支持杭)
平成26年度 2級(No.11)地質・地層・地下水の有無を「載荷試験で調査する」→ 誤り。ボーリング調査 ←②(正答3)

管理人からのコメント

令和6年度の誤り肢は、深いか浅いかの1語だけを変えたものでした。しかもこの1語が、現場でいちばん大事な「床付け面を乱すな」という指示の理由そのものです。浅いところに壊れる面ができるから、その浅いところを守る。ここが分かっていれば選べます。

岩盤の処理も、感覚と逆に思えるところです。ふつうは平らに仕上げたくなりますが、直接基礎ではあえて凹凸を残します。滑らせないためのかみ合いを作る。砂礫の「密着」と岩盤の「突起」は、手段が違うだけで目的は同じです。

理解度チェック

問題:直接基礎の施工で床付け面付近の地盤を乱してはいけないのはなぜか。

基礎が滑動するときのせん断面が床付け面の直下(浅い箇所)にできるためです。いちばん効いてほしい層がそこにあるので、乱すと滑動抵抗が期待どおりに得られません。「せん断面は床付け面の深い箇所に生じる」は誤りです。(令和6年度1級 No.17)

問題:岩盤の上の直接基礎で、底面を平らに仕上げないのはなぜか。

平滑にするとすべりやすくなるためです。基礎底面に突起をつけたり凹凸(不陸)を残したりして岩盤とかみ合わせ、すべりに対するせん断抵抗を高めます。砂・砂礫地盤では逆に整地して密着させますが、どちらも目的は「滑らせない」で同じです。

問題:直接基礎の支持層で、粘性土層だけ条件の書き方が違うのはなぜか。

粘性土は時間をかけて沈む圧密が起きるためです。砂層・砂礫層は十分な強度があればよいのに対し、粘性土層は圧密のおそれのない良質な層であることが求められます。強度があっても、あとから沈む層では直接基礎は成立しません。(令和7年度1級 No.17)

まとめ

  • 直接基礎は、支持地盤が地表から浅い箇所に得られる場合に、基礎底面で直接荷重を伝える基礎。
  • 鉛直荷重は基礎底面地盤の鉛直地盤反力のみ。フーチング周面の摩擦抵抗はあまり期待できない。
  • 滑動時のせん断面は床付け面の直下(浅い箇所)。だから床付け面付近の地盤を乱さない。「深い箇所」は誤り。
  • 砂・砂礫地盤=整地して均しコンクリートで密着岩盤突起・不陸を残してかみ合わせる。
  • 支持層は砂層・砂礫層で十分な強度粘性土層で圧密のおそれのない良質な層
  • 地質・地層・地下水はボーリング調査、支持力は載荷試験。目的が違う。

基礎形式の全体像は基礎の種類、深い支持層に届かせる形式はケーソン基礎、地盤調査は標準貫入試験とN値で確認できます。

参考資料

  • 日本道路協会「道路橋示方書・同解説(下部構造編)」
  • 一般財団法人 全国建設研修センター 公表の第一次検定 問題・正答
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土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

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