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平成30年度 公害防止管理者 大気特論 問14を解説|二酸化硫黄自動計測器(アンモニア妨害は溶液導電率方式)

平成30年度 大気特論 問14は、JISの排ガス中の二酸化硫黄自動計測器に関する問題です。誤っているものを選びます。

この問題のポイント

二酸化硫黄の自動計測器には、溶液に吸収させて電気の通りやすさを見る方式と、光を当てて吸収や発光を見る方式があります。四つの方式が並ぶ出題で狙われるのは、どの方式がどの成分に邪魔をされるかという組合せです。妨害成分は方式ごとに理屈が違い、溶液に吸収させる方式なら液の性質を変えるものが、光を使う方式なら同じ波長域に関わるものが効いてきます。この対応を入れ替えた肢が仕込まれています。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(2)(誤っている記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
(1)○(正しい)溶液導電率方式は、試料ガスを硫酸酸性過酸化水素溶液に吸収させて測ります。
(2)×(誤り)アンモニアが妨害となるのは溶液導電率方式です。赤外線吸収方式ではありません。これが正解です。
(3)○(正しい)紫外線吸収方式は、水分と二酸化炭素の影響を受けずに測定できます。
(4)○(正しい)紫外線蛍光方式は、紫外線を吸収して励起した二酸化硫黄が出す蛍光を測ります。
(5)○(正しい)紫外線蛍光方式では、芳香族炭化水素などが妨害成分となります。

選択肢(2)のポイント(ここが誤り)

赤外線吸収方式は、赤外線を吸収する気体だけが測定に影響します。排ガスで問題になるのは水分と二酸化炭素で、どちらも赤外域に強い吸収を持ち、二酸化硫黄の測定に重なってきます。逆に、アンモニアを赤外線吸収方式の妨害成分として挙げるのはこの方式の性格に合いません。誤り肢は、方式名だけを差し替えて成立しているように見せています。

アンモニアが効いてくるのは溶液導電率方式のほうです。この方式は、試料ガスを硫酸酸性過酸化水素溶液に吸収させ、二酸化硫黄が酸化されて生じる酸によって液の導電率が上がるのを捉えます。つまり測っているのは液の酸としての変化です。そこへアルカリ性のアンモニアが一緒に入ってくると酸を中和してしまい、本来出るはずの導電率の変化が打ち消されます。妨害が濃度を低く見せる向きに働く点も、この方式の理解として押さえておきたいところです。

方式ごとの整理は、測定原理から逆算すると迷いません。溶液に吸収させて液の性質を見る方式は液性を変えるもの、すなわちアンモニアのようなアルカリ分に弱いといえます。光を使う方式は、同じ波長域で光を吸収したり発光したりするものに弱く、赤外線吸収方式では水分と二酸化炭素が、紫外線蛍光方式では芳香族炭化水素などが該当します。一方、紫外線吸収方式は水分と二酸化炭素の影響を受けずに測れるという特徴があり、この違いが選択肢(3)の正しさを支えています。

覚え方

  • 妨害成分は原理から逆算。液で測る方式は液性を変えるものに弱い
  • アンモニア(アルカリ)が効くのは溶液導電率方式。酸を中和して値を低く見せる。
  • 赤外線吸収方式で邪魔になるのは水分と二酸化炭素。紫外線吸収方式はその二つの影響を受けない。
  • 紫外線蛍光方式は励起した二酸化硫黄の蛍光を測る方式で、芳香族炭化水素などが妨害。

理解度チェック

Q.

溶液導電率方式でアンモニアが妨害となるのはなぜか。

この方式は、二酸化硫黄が吸収液中で酸になることによる導電率の変化を測ります。アルカリ性のアンモニアが入ると酸を中和し、その変化を打ち消してしまうためです。

Q.

赤外線吸収方式で妨害となる代表的な成分は何か。

水分と二酸化炭素です。どちらも赤外線を吸収するため、二酸化硫黄の測定に影響します。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成30年度 公害防止管理者等国家試験 大気特論 問題・正解」(公式PDF