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平成30年度 公害防止管理者 大気特論 問9を解説|水酸化マグネシウムスラリー吸収法(酸化・再生・石こう回収)

平成30年度 大気特論 問9は、水酸化マグネシウムスラリー吸収法に関する穴埋め(組合せ)問題です。ア~ウに入る語句の正しい組合せを選びます。

この問題のポイント

排煙脱硫は石灰系だけでなくマグネシウム系でも行われます。この問題は、その一連の流れ-二酸化硫黄を吸収したあと何にしてから放流するのか、そして薬剤を回すためにどんな処理を加えるのか-を語句の並びで確かめる出題です。分かれ目は二つあり、放流する形が吸収した直後のものではないこと、そして再生のために加えるのがカルシウム系のアルカリであって塩ではないことです。ここを取り違えると、もっともらしく見える組合せを選んでしまいます。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(1)

空欄に入る正しい語句

空欄入る語句読み解き
硫酸マグネシウム吸収でいったん亜硫酸マグネシウムになりますが、そのままではなく空気で酸化して硫酸マグネシウムに変えてから放流します。
水酸化カルシウム消石灰のことです。アルカリを加えることでマグネシウムが水酸化物として戻り、吸収剤を作り直せます。
石こう加えたカルシウムが硫酸イオンと結びつき、硫酸カルシウムの二水和物として取り出せます。

ここが分かれ目

この方法は、水酸化マグネシウムを含むスラリーに排ガス中の二酸化硫黄を吸収させるところから始まります。吸収した直後にできるのは亜硫酸マグネシウムです。ところが亜硫酸塩は還元性を持ち、そのまま水域に出せば水中の酸素を奪う側にまわります。そこで空気を吹き込んで酸化し、安定な硫酸マグネシウムに変えてから放流します。吸収してできた亜硫酸マグネシウムをそのまま放流すると読むと誤りで、アに亜硫酸マグネシウムを置く組合せはここで落ちます。

もう一つの分かれ目がイです。溶液の一部を抜き出して水酸化カルシウム、すなわち消石灰を加えると、カルシウムが硫酸イオンを引き取り、マグネシウムは水酸化マグネシウムに戻ります。吸収剤を作り直すのですから、加えるのはアルカリでなければ話が通りません。硫酸カルシウムを加えるとする組合せは、そもそも中和する力を持たない塩を投入することになり、水酸化マグネシウムは再生できません。石こうは加えるものではなく、この操作の結果として出てくるものです。

ウは、そのとき同時に得られるものを問うています。カルシウムと硫酸イオンから生じるのは硫酸カルシウムの二水和物、つまり石こうです。酸化マグネシウムを置いてしまう組合せもありますが、水溶液中の操作で戻ってくるのは酸化物ではなく水酸化物であり、回収物として名前が挙がるのはカルシウム側の石こうです。「マグネシウムは循環して使い、硫黄分はカルシウムに渡して石こうとして系外へ出す」という役割分担で押さえておくと迷いません。

覚え方

  • 亜硫酸塩は放流前に空気酸化。亜硫酸→(酸化)→硫酸塩にしてから流すのが脱硫排水の基本手順。
  • 「再生に使うのはアルカリ」。消石灰=水酸化カルシウムはアルカリ、硫酸カルシウムは塩で中和力なし。
  • 石こうは加えるものではなく回収するもの。硫酸イオン+カルシウム=石こう。
  • マグネシウム法の役割分担=マグネシウムは循環、硫黄はカルシウムに渡して系外へ。

理解度チェック

Q.

水酸化マグネシウムスラリーで二酸化硫黄を吸収したあと、なぜ空気で酸化するのか。

吸収してできる亜硫酸マグネシウムは還元性を持ち、そのまま放流すると水中の酸素を消費してしまうためです。酸化して安定な硫酸マグネシウムに変えてから放流します。

Q.

溶液の一部に水酸化カルシウムを加えると、何が起きるか。

マグネシウムが水酸化マグネシウムとして再生され、同時にカルシウムと硫酸イオンから石こう(硫酸カルシウム二水和物)が回収できます。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成30年度 公害防止管理者等国家試験 大気特論 問題・正解」(公式PDF