平成30年度 公害防止管理者 大気特論 問7を解説|燃焼装置の通風(通風力は煙突の高さに比例)
平成30年度 大気特論 問7は、燃焼装置の通風に関する正誤問題です。誤っているものを選びます。
この問題のポイント
通風方式の使い分け(押込・吸引・平衡)と、煙突が生む自然通風力の性質をまとめて確認する問題です。引っかけの核心は、通風力と煙突の高さの関係を比例の次数を上げて書いている点にあります。通風力がどんな量の積で決まるかを思い出せば、次数は自然に決まります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 押込通風は煙突側の自然通風力を当てにするため、排ガス温度をある温度より低くすることはできません。正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | 吸引通風は下流側で引くため、炉内圧は負圧になります。正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | 平衡通風は押込側と吸引側の両方を持つため炉内圧を調節でき、負荷変動に対応できます。正しい記述です。 |
| (4) | ×(誤り) | 煙突の通風力は高さに比例します。2乗に比例するという記述は誤りです。 |
| (5) | ○(正しい) | 大気温度が低いほど外気は重くなり、排ガスとの密度差が広がるため通風力は大きくなります。正しい記述です。 |
選択肢(4)のポイント(ここが誤り)
煙突が生む自然通風力は、煙突の中にある高温で軽い排ガスと、外にある低温で重い大気との重さの差によって生じます。同じ高さの柱を煙突内外で比べたとき、外側の空気の柱のほうが重く、その差が煙突の底を押し上げる力として働きます。したがって通風力は、内外の密度差と煙突の高さの積で決まります。
この形からわかるとおり、高さは1乗でしか効きません。煙突を2倍の高さにすれば通風力も約2倍で、選択肢(4)の「高さの2乗に比例」という記述は次数を1つ増やした誤りです。もう一方の因子である密度差は温度で動くので、排ガス温度が同じなら大気温度が低いほど通風力は大きくなります。高さと温度差のどちらを触っても通風力は動くため、押込通風で排ガス温度を下げ過ぎられないという(1)の話とも1本でつながります。
覚え方
- 自然通風力は2つの積で決まる。通風力 = 内外の密度差 × 煙突の高さ(高さは1乗)。
- 「2乗に比例」と書かれた比例関係は、まず次数を疑う。高さを2倍にして通風力が4倍になる仕組みは無い。
- 密度差は温度差の言い換え。冬(大気温度が低い)ほど煙突はよく引く。
- 炉内圧で通風方式を判別。押込=正圧/吸引=負圧/平衡=調節できる。
理解度チェック
煙突の通風力は、煙突の高さとどのような関係にあるか。
高さに比例します(1乗)。通風力は内外の密度差と高さの積で決まるため、2乗では効きません。
吸引通風と平衡通風では、炉内圧はどうなるか。
吸引通風では負圧になります。平衡通風は押込側と吸引側を併用するため、炉内圧を調節できます。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「平成30年度 公害防止管理者等国家試験 大気特論 問題」(公式PDF)
- 燃焼装置の通風(押込通風・吸引通風・平衡通風、煙突の自然通風力)
※ この記事の確認日:2026年7月