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平成29年度 公害防止管理者 大気特論 問11を解説|アンモニア接触還元法(ハニカム触媒の圧力損失)

平成29年度 大気特論 問11は、アンモニアを還元剤として触媒の上でNOxを分解する排煙脱硝についての正誤問題です。誤っているものを選びます。

この問題のポイント

触媒の中身、触媒の形、反応するときの比率、働く温度の幅、そして還元剤の選択肢と、装置の骨格が一通り並びます。材質や比率、温度域は覚えていればそのまま判断できる知識で、勝負どころは触媒の形とガスの通りやすさの関係です。すきまがまっすぐ抜けている形と、粒を層に詰めた形。ガスを押し通すのにどちらが力を要るかを、実物の姿を思い浮かべて判断できるかどうかが分かれ目になります。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(2)(誤っている記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
(1)○(正しい)現在主流の脱硝触媒は、酸化チタンを担体とし酸化バナジウムを活性金属とする組合せです。
(2)×(誤り)通路がまっすぐ貫通している形のほうが、ガスは抵抗少なく抜けます。大小が逆です。これが正解です。
(3)○(正しい)排ガス中のNOと注入したアンモニアは、理論上1:1のモル比で反応します。
(4)○(正しい)この触媒が働く温度には上下の幅があり、示された温度域はその範囲に収まっています。
(5)○(正しい)取り扱いのしやすい尿素を還元剤に用いる方式も、一部で実用化されています。

選択肢(2)のポイント(ここが誤り)

ハニカム形の触媒は、断面に四角い穴がびっしりと並び、その穴が入口から出口まで一直線に貫通している構造です。排ガスは向きを変えることなく通路を直進するだけなので、押し通すのに要する圧力は小さくて済みます。これに対してペレット形は、粒状の触媒を容器に敷き詰めた層です。ガスは粒と粒のすきまを縫うように何度も向きを変えながら進むので、そのぶん抵抗が積み上がります。まっすぐ抜ける形のほうが圧力損失が大きいというのは、構造から導かれる向きと反対です。

この差は、目詰まりへの強さにもそのまま現れます。ダストを多く含む排ガスをペレット層に通すと、粒のすきまに灰がたまって流路がふさがれ、時間とともに抵抗が増していきます。ハニカムなら通路が直線なのでダストは吹き抜けやすく、閉塞が起こりにくくなります。石炭を燃やす設備のように含じん量の多い排ガスでハニカムが選ばれるのはこのためで、圧力損失の小ささと閉塞への強さはひと組の長所として覚えるのが実戦的です。圧力損失が増えれば通風機の動力が増え、そのまま運転費に跳ね返る点も押さえておきたいところです。

温度の幅にも理由があります。低すぎれば反応が進みきらず、使われなかったアンモニアが下流へ抜けていきます。抜けたアンモニアは排ガス中の硫黄酸化物と結びついて粘り気のある塩を作り、熱交換器などを汚す原因になります。逆に高すぎると、アンモニア自身が酸化されてNOに変わってしまい、除去しに来たはずが生成側に回ってしまいます。温度は高いほどよく効くと考えるとこの上限を見落とすので、上にも下にも外してはならない窓がある、という形で理解してください。

覚え方

  • ハニカムは通路が直線。圧力損失が小さく、目詰まりにも強い
  • ペレットは粒のすきまを縫う形。抵抗が大きく、ダストの多い排ガスには不利。
  • NOとアンモニアは理論上1:1。注入量の見積りはこの比が出発点。
  • 触媒温度は低すぎても高すぎても不可。低ければ未反応分が抜け、高ければ還元剤が酸化される。

理解度チェック

Q.

ハニカム形とペレット形では、圧力損失はどちらが小さいか。

ハニカム形です。通路が入口から出口まで直線に貫通しており、ガスが向きを変えずに抜けられるためです。

Q.

触媒の温度が高すぎると、脱硝にどんな不都合が起こるか。

還元剤であるアンモニア自身が酸化されてNOになる方向へ傾き、除去の効率が落ちます。低すぎる場合は未反応のアンモニアが下流へ抜けます。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成29年度 公害防止管理者等国家試験 大気特論 問題・正解」(公式PDF