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平成29年度 公害防止管理者 大気特論 問8を解説|排煙脱硫プロセスの機器名(石灰石膏法のフロー)

平成29年度 大気特論 問8は、硫黄酸化物を取り除く設備のフローシートを読み、4か所の機器名と副生品の名称を当てる組合せ問題です。

この問題のポイント

図の中で名前が伏せられていない部分に、答えを決める手がかりがすべて置かれています。どこから排ガスが入るか、どこに水が入るか、どこに空気が吹き込まれるか、そして何が吸収剤として供給されているかを拾えば、伏せられた4か所は一意に決まります。分かれ目は最後に取り出される固体の名前で、使っている吸収剤の金属から素直に決まります。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(1)

各選択肢の正誤

記号語句読み解き
冷却除じん塔排ガスが最初に導かれ、水が供給され、下から排水処理へ抜けていく塔です。ばいじんや塩化物を洗い落としてガス温度を下げる前処理にあたります。
吸収塔頂部にデミスターを備え、石灰石や水酸化カルシウムを溶いた液が吸収剤調整槽から循環してくる塔です。ここで硫黄酸化物が液に取り込まれます。
酸化塔下部から空気が吹き込まれ、硫酸でpHを整えた液が送られてくる塔です。吸収された亜硫酸塩を硫酸塩まで酸化させます。
石こうシックナーで濃縮し、遠心分離機で水を切って取り出される固体です。カルシウム系の吸収剤を使っているので、副生品はカルシウムの硫酸塩になります。

ここが分かれ目

まず、伏せられた3つの塔の順番です。手がかりは排ガスの入口と水の行き先にあります。最初の塔には排ガスと水が入り、汚れた水が排水処理へ抜けていきます。これは硫黄酸化物を捕まえるための塔ではなく、後段の吸収液が汚れないよう先にばいじんを洗い落とす塔なので、冷却除じん塔と決まります。吸収塔をいきなり先頭に置いてしまうと、水と排水処理の配管が説明できなくなります。

次の塔は、頂部にデミスターがあり、吸収剤を溶いた液が循環している点で吸収塔と分かります。デミスターは液の飛沫を捕らえる部材なので、液を大量に噴霧する塔にしか付きません。3つめは空気が吹き込まれていることが決め手で、酸化塔です。空気を吹き込む目的は酸素を供給することであり、脱硫のフローで酸素を要する工程は酸化しかありません。

最後の副生品が、この設問でいちばん差がつくところです。図では吸収剤として石灰石と水酸化カルシウムが供給されており、いずれもカルシウムを持ち込む薬剤です。取り込んだ硫黄分はカルシウムと結びついて硫酸カルシウムになり、脱水されて石こうとして回収されます。一方の硫安はアンモニウムイオンと硫酸イオンの塩なので、生成するにはアンモニアを吸収剤に使っていなければなりません。図のどこにもアンモニアは供給されていないため、硫安を含む組合せはその時点で外せます。副生品は吸収剤の金属で決まるという筋道を持っておけば、塔の並びを一部取り違えても選択肢を絞り込めます。

覚え方

  • フロー図は入ってくるもので機器を当てる。水なら洗浄、吸収剤なら吸収、空気なら酸化。
  • 排ガス側の並びは、洗って冷やす、吸わせる、水滴を落とす、温度を戻して煙突へ。この順に読む。
  • デミスターが付いている塔は液を噴霧する塔。吸収塔の目印になる。
  • 副生品は吸収剤の金属で決まる。カルシウム系なら石こう、アンモニアを使えば硫安。

理解度チェック

Q.

排煙脱硫のフローで、空気を吹き込んでいる塔は何をしているか。

酸化です。吸収塔で取り込まれた硫黄分は亜硫酸塩の状態にあり、空気中の酸素で硫酸塩まで酸化して初めて、石こうとして安定に回収できます。

Q.

石灰石や水酸化カルシウムを吸収剤に使う方式では、副生品は何になるか。

石こうです。カルシウムと硫黄分が結びついた硫酸カルシウムが得られます。硫安が副生するのはアンモニアを吸収剤とする方式で、カルシウム系の薬剤からは生じません。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成29年度 公害防止管理者等国家試験 大気特論 問題」(公式PDF