平成29年度 公害防止管理者 大気特論 問6を解説|油バーナーの形式と特徴(長炎か短炎か)
平成29年度 大気特論 問6は、重油などを霧にして燃やす機器の形式ごとの特徴に関する正誤問題です。誤っているものを選びます。
この問題のポイント
油をどうやって細かい霧に変えるかで、バーナーはいくつかの形式に分かれます。油そのものに圧力をかける形式、回転する部品の遠心力を使う形式、別の気体を吹き付けて引きちぎる形式などです。引っかけの核心は、高圧の気体を吹き付ける形式についてできあがる火炎が長いか短いかという点で、実際とは逆向きに書かれています。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 油圧式には、余った油を戻して負荷変動に対応する形と、戻さない単純な形の2通りがあります。正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | 回転する部材の遠心力で油膜を振り飛ばす形式で、噴霧は広い角度に開きます。示された角度範囲と整合します。 |
| (3) | ○(正しい) | 高圧の空気や蒸気を勢いよく噴出させるため、噴出音そのものが大きな騒音源になります。正しい記述です。 |
| (4) | ×(誤り) | 火炎の形が逆です。高圧気流式では油滴が高速で遠くまで飛ぶため、細く長い火炎になります。 |
| (5) | ○(正しい) | 低圧空気式は送風機程度の低い圧力の空気で霧化する形式で、示された圧力の水準と整合します。正しい記述です。 |
選択肢(4)のポイント(ここが誤り)
高圧気流式は、高い圧力の空気または蒸気を噴霧媒体として油に吹き付け、その勢いで油を細かく引きちぎる形式です。霧化に使う気体の運動量が大きいので、できた油滴は高い速度を持ったままバーナーから遠くへ運ばれていきます。油滴が空気と混ざりながら燃え尽きるまでに長い距離を進むことになるため、火炎は細く前方に伸びた長炎になります。短炎になるという記述は、この形式の性格と正反対です。
形式ごとの性格は、霧化に使う力がどこから来るかで読み解けます。回転式のように遠心力で振り飛ばす形式は、油滴が横方向に広がるので火炎は太く短くなります。低圧空気式も、送風機程度の圧力しか使わないため油滴が遠くまで飛ばず、短めの火炎になります。これに対し高圧気流式は前方向の運動量が突出しており、同じ理屈で燃焼騒音も大きくなります。選択肢(3)と選択肢(4)は同じ性質の裏表で、音が大きい形式が短炎になるのは筋が通らないと気づければ、その場で判断できます。
覚え方
- 火炎の形は霧の飛び方で決まる。前へ強く飛ばす形式は長炎、横へ広げる形式は短炎。
- 高圧気流式は長炎で騒音が大きく、油量の調節範囲が広い。3点セットで覚える。
- 回転式は遠心力で広角に噴霧するため太く短い火炎。低圧空気式も短めの火炎。
- 油圧式には戻り油形と非戻り油形。戻り油形があるのは、油量を絞ると霧化が悪くなるという弱点を補うため。
理解度チェック
高圧気流式バーナーの火炎は、長炎と短炎のどちらか。
長炎です。高圧の空気や蒸気で霧化するため油滴が高速で遠くまで飛び、細く前方に伸びた火炎になります。あわせて噴出音による燃焼騒音も大きくなります。
油圧式バーナーに戻り油形が用意されているのはなぜか。
油圧式は油の圧力そのもので霧化するため、燃焼量を絞って圧力を下げると霧が粗くなってしまいます。余分な油をノズル手前で戻す仕組みにすれば、圧力を保ったまま燃焼量だけを絞れます。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「平成29年度 公害防止管理者等国家試験 大気特論 問題」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月